THE SHOCK@新宿Red Cloth



 今日はこれから元ちぇるしぃにして、元首狩族の馬場崇率いる新バンド、THE SHOCKのライヴを見にRed Clothへ行ってきます。

  • 追記

 行ってきました。出演順に簡単に感想を。

    • MOTOR MUSTANG

 ツェッペリンタイプのリフを中心に展開するハード・ロック・バンド。形式的にはハード・ロックなのに、ヘヴィでもラウドでもないという致命的欠陥を持つ。これ以上のコメントの必要を感じない。

 今年のフジロックのルーキー・ア・ゴーゴーに出演するなど、評判は聞いていた。この日、THE SHOCKの次に期待していたアクトである。
 ベースレスのトリオで爆音を響かせるブルージーなガレージ・バンド。ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンとか、キング・ブラザーズとか、同様の編成によるバンドは前例があるものの、クレイジーなバカノリぶりでは彼らも負けてはいない。洗練さというものはかけらも見当たらず、とにかく汚い、五月蝿い、激しいの三拍子が揃っている。

 彼らにはステージングの常識というものは存在しないらしく、ステージ上で暴れるだけでは飽き足らないのか、途中から客席スペース中央にドラムを移動させ、会場全体をステージにしてしまった。ヴォーカリストやギタリストがステージから降りてくるのは時々見るが、ドラマーがドラムキットを抱えて降りてくるのは初めて見た。そのドラムもスネアを和太鼓のように叩くポジションにセットされていて、充分に変だ。叩きにくくないのだろうか。ギターの2人も当然のようにステージを飛び降り、DJブースのある2階へよじ登ったり、大暴れである。

 演奏に奇を衒うだけではない、凶暴なブルースが感じられた点は特筆に価する。会場で貰ったフライヤーによると、今月末からアメリカ西海岸ツアー、帰国した途端12月中旬からはあふりらんぽオシリペンペンズとの東名阪ツアーが決まっているようだ。来年のフジロックでは赤犬のポジションを獲得しているかも。

 予備知識は全くなかったが、思わぬ拾いものだった。トロンボーンとトランペットの入った6人編成で、インスト中心のファンク・バンド。ラテンでも、アフロでもない、例えるなら『RAIN DOG』の頃のトム・ウェイツに近い無国籍情緒を感じさせた。

 ドラムソロの合間に、キーボードのメンバーがバナナを食べるという訳の分からないパフォーマンスは余計だと思ったが、猥雑な雰囲気と扇情的なビート感はなかなかのもの。早速会場で販売していた3曲入りのデモCD-Rを購入。これを見るとバンド名は「IMPOSTORS」と表記されている。エルヴィス・コステロのバンドは同じ名前(ただし表記はIMPOSTERS)で、日本盤などには「インポスターズ」と記されているが、カナ表記としてはインパスターズの方が実際の発音に近いだろう。

    • THE SHOCK

 何でも大渋滞に巻き込まれたとかで、メンバーが到着したのは開演時間とほぼ同時だった。そのため出演前に一旦幕(シャッター)を降ろし、リハーサル。音は全部聴こえていたけど。
 満を持していよいよ開演。ストーンズ・タイプのシンプルなロックンロールが始まり、そして馬場登場。THE SHOCKはメンバーそれぞれが別にパーマネントなバンドを持っているため、春と秋だけの期間限定で活動する変則的なバンド。前回5月に東京での初ライヴをやった時は見逃していたので、私はこれが初見だ。短命に終わった首狩族から、約4年ぶりに見る馬場である。
 馬場の風貌は変わっていない。ちぇるしぃの頃と同じ髪型、髭面、そして半裸。ステージ上よりフロアにいる時間の方が長いのも相変わらず。それほど器用なことのできる人だとは思っていないし、馬場が馬場であり続けてくれるだけで私は充分に嬉しいが、バンドそのものは発展途上段階と言わざるを得ないものだった。

 ストーンズをバックにイギー・ポップが歌っているとでも言えばいいか。曲やサウンドはシンプルで、和風テイストを強調していた首狩族よりは明快さを感じたが、他のバンドの名前を引き合いに形容される域を出ていないというのが、正直な感想。ロックンロールの王道路線を踏襲しているのだから、演奏そのものは盛り上がる。ただちぇるしぃや首狩族での圧倒的なパフォーマンスを知っている身としては、馬場はこんなもんじゃないだろうとも思ってしまう。

 6〜7曲を演奏し、これでレパートリーは全てだったようだ。アンコールはチャック・ベリー・コードのジャムで終了。今思えばちぇるしぃの「あんあんあばずれ」だったような気もしないでもない。THE SHOCKが今後も期間限定の活動を続けるのであれば、かつてのような唯一無二のパフォーマンスを期待するのは難しいかもしれない。ただ馬場が隠遁状態を抜け出したのは事実だし、当分この形態での活動で納得するしかないのだろうか。

  • 追記2

 写真に関して言い訳させていただく。逆光&ケチくさい光量で有名なRed Clothなので、撮影しにくいことは覚悟の上だったが、この日はいつにも増して暗くて閉口。撮影データは、f:2.8、1/90、ISO1600使用。当然照明が明るくなった時を狙ってシャッターを切っているにも関わらず、それでもこんなに暗い写真しか撮れないのだから泣きたくなる。動く被写体を撮るにはこれ以上シャッタースピードを落とせないので、Red Clothで明るい写真を撮るには50〜60万円ぐらいのレンズが必要かも。雰囲気を損なうので基本的にはフラッシュは使いたくないし(ワッツーシゾンビのフロアで叩くドラマーの写真だけはさすがに例外。ここは全く照明が当たらない位置なので)。
 THE SHOCKの写真が少ないのは、バビが照明の当たらないステージ先端か、ステージ下にばかりいたため。頼むからもう少し明るい場所で歌ってください(ノД`)・゚・。

  • 追記3

 今回のフィルムはいつものラボではなく、電車賃と往復の時間が惜しかったので近所の55ステーションに出した。ここは初めて使ったのだが、出来上がった写真は表面に指紋がベタベタ付いていて、激怒。二度と使わない。