リー・ブリロー追悼ライブ 大阪編@難波Rock Rider


  • THE LOBSTERS


 このハコの店長のバンドだそう。ギター、ヴォーカルのWALTHERがその人で、今回のイベントも彼が企画したらしい。ストーンズ・タイプのシンプルなロックンロール・バンドで、現在リード・ギターはSiX bulletsのマモルがサポートとして弾いている。このギターが非常に巧みだった。

  • SIX


 HARISSというバンドのギタリスト、清野セイジ(写真向かって左)のソロユニットのアコースティック・デュオ。カントリー・タッチのブルーズや、スパニッシュ調の曲も。
 東京にも同名のバンドがいるが、何故SIXと名乗るバンドは6人組みではないのか。

  • NYLON



 昨年5月以来に見るNYLON。ベースのセリカがこの日をもって最後となるライヴで、私が大阪行きを決めた理由のひとつでもあった。
 この編成でライヴを見るのは実は2回目。ここ3年近くはメンバーが安定しない状態が続いており、以前に比べれば活動も活発とは言えない。正直なところ演奏の出来には不安があったのだが、始まった瞬間に杞憂だったことを思い知らされた。こいつらやっぱりスゲーよ。


 ライヴでの定番曲を立て続けに演奏し、2〜3曲目には早くも観客の心を鷲掴み。イベントの序盤に感じられたまったりムードを霧散させ、会場は完全にNYLONのペースになっていた。
 イベントの趣旨に合わせてDr.Feelgoodのナンバーも披露。まずは『Cover song series』でレコーディングもしていた「She's a wind up」。そして必殺の「She does it right」まで。途中シマノ(g.)がフィールグッズから受けた影響の大きさ、またこのイベントに出演できたことへの感謝を述べる場面があり、NYLONには珍しく感動的なMCだった。



 30分程度のステージはあっという間でありながら、圧巻。新曲も3曲ほど聴けた。メグ(vo.)に聞いた話では、既にアルバム1枚分に匹敵する新曲はストックされているのだとか。最新アルバムが出てから3年経ってしまったので、バンドとしてはそろそろ新作も作りたいはずだ。ドラムのヒメコも今後はヘルプとしての参加になることが決まっており、NYLONはパーマネントなベース、ドラムを募集している。1日も早くバンドが安定して活動できる日が来ることを願わずにいられない。



 こちらも久しぶり。DVDになった「ニッポンのロックンロール」発売記念ライヴ以来にお目にかかるミステルズ
 マイペースを崩さず、常に庶民の目線で身の丈に合ったロックンロールを奏でるバンド。そこはかとないペーソスとユーモア、そしてソウルやブルーズのエッセンスをちりばめることにも成功している、まさに日本のパブ・ロックとはミステルズのことだ。

 こういうバンドが存在するのは嬉しいし、パブ・ロックのファンとして実に誇らしい気持ちになる。

  • VIOLETS


 彼らも「ニッポンのロックンロール」に参加のバンド。従ってその収録曲である「She does it right」は当然演奏するわな。NYLONと被ってしまったわけだが、この場合VIOLETSがこの曲をやることは充分予測できたので、先に披露してしまったNYLONが悪い(笑)。
 ライヴはいつも通りに羽目を外したクレイジーなパフォーマンス。チューニングがずれようが、暴れ過ぎてシールドが抜けようが、お構い無しに突っ走るのがこのバンド。頻繁にツアーを行っているせいか、固定ファンらしき客も少なくなかったのはさすが。

  • MAMORU & The DAViES



 そしてパブ・ロック番長ことワタナベマモル率いるDAViESである。例年リー・ブリローの命日に行われている4月7日のイベントには行けなかったので、非常に楽しみにしていた。この日もイベントの趣旨通り、フィールグッズ・ナンバーを中心にしたセット。



 セットリストは次の通り。

1. Back in the night
2. Going back home
3. Baby Jane
4. Win or lose
5. Boom Boom
6. Do the DAViES
7. Waiting for Saturday night
8. Route 66
9. 炎のパブロッカー
10. Bonie Moronie 〜 Tequilla
11. Drop everything and run
12. ヒコーキもしくは青春時代

 11と12がそれぞれアンコール。これを見て毎年リー・ブリロー・メモリアルに来ている人なら気付くはず。「Going back home」や「Baby Jane」は常連の赤羽ブリローや3 Chordsのレパートリーとなっているので、DAViESは滅多に演奏しない曲だ。それが聴けただけで、大阪まで来たかいがあった。


 前日に名古屋で弾き語りのライヴを終えて、この日バンドと合流して挑んだマモさんだったが、疲れた様子も無く、ステージ上でも珍しくアクションが派手だった。調子が良かったのだろう。
 長丁場のイベントながら、会場は最後まで温度が下がることが無かった。アンコールを求める声に応え、当初予定していなかった「ヒコーキ〜」が終わった頃には23時を回っていた。翌日は月曜なのに、大阪の客はノリがよろしいな。しかしそれでこそパブ・ロック。大阪では初めてのリー・ブリロー追悼ライブは大成功に終わったと言っていいだろう。