ROCK’N’SOUL@高円寺U.F.O. Club



  • NYLON









  • GASOLINE



  • THE CHOCOLATES









 このエントリーは5/23にアップしています。
 NYLONが現在のメンバーになって初めての東京でのライヴということで、是が非でも駆けつけねばならないイベントだった。また対バンの面子が濃いこと濃いこと。天丼をたいらげたと思ったら、鰻丼が出てくるみたいなコテコテ感があった。
 でもこういうイベントは10年ぐらい前にはShelterあたりで連日のように行われていたんだよな。あの頃はMAD3がいて、ギョガンがいて、ドメニコがいて、スナッズ、Firestarter、Evil HooDoo、ジェット・ボーイズ、ホンコン・ナイフ、アクセル4…。関西方面からはキングブラザーズちぇるしぃ、スウィッチトラウト、アントニオ3などなど。こうしたバンドが渾然一体となってガレージ・シーンを形成していた。今活きのいい50回転ズとか、BAWDIESとか、毛皮のマリーズとか、それぞれ素晴らしいバンドだと思うし、決して嫌いではないのだが、90年代後半にあった猥雑で退廃的な感覚からは少し外れている。
 この日のU.F.O. Clubは往時のガレージ・イベントを髣髴とさせるものがあった。まあ、単なるノスタルジーかもしれないが。
 ベースとドラムが変わった新生NYLONは3月に初ライヴを行い、この日がこのメンバーで6回目ぐらいのライヴだった。1曲目の「波乗りビート」が始まったところで、不安は霧散した。あのNYLON、私が愛するNYLONが帰ってきたんだと感激した。ベースのセリカとドラムのヒメコはそれぞれミュージシャンとしての個性は前任者と異なる。セリカはシホほど音数が多くないし、ヒメコはマサオより重たいビートを刻む。それでも各々がNYLONを理解し、各々のやり方でNYLONを表現していた。
 メンバーの凄まじい動きも健在。ファインダーを覗いていても、動きが速過ぎて全然ピントが合わなくてイライラし通し。「ああっ、速い、くそ〜、ピントが合わねぇ、こいつら変わってねぇなあ」頭の中ではこんなことばかりつぶやいていた。この感覚を思い出したのも久しぶりだ。だいたいどんなバンドでも1/90ぐらいのシャッター速度を使えば止まって写るのだけれど、NYLONは1/125でもブレる。こんなバンドはNYLON以外に知らない。フィルムの無駄打ち率に関しては抜群の高さを誇るのだ。これからも撮影しにくいバンドでいて欲しい。