『Ladies & Gentlemen』再び
先週武道館で1日限定上映が行われたローリング・ストーンズの『レディース&ジェントルメン』が、1日より全国のTOHOシネマズで公開されたので、再度見に行ってきた。
この間も書いたように、武道館では2階席の端から鑑賞したので、せっかくの大スクリーンも目線より下にあり、大きさが実感できなかったことから、スクリーンが視界いっぱいに広がる特等席を予約して見てやろうと目論んだわけ。ちょうど1日は料金が一律1000円になる日でもあったし。
武道館の時とは一転して、目の前で演奏するストーンズの面々は、若さがほとばしっているのがようく分かって、見に行ったかいがあった。ミックのアクションは切れがあって、躍動感たっぷり。見ていてわくわくする。他のメンバーも演奏することが実に楽しそうだ。まあ、ビル・ワイマンは何故かいつも半笑いだし、ミック・テイラーだけはつまらなそうな表情なのだけれど。
ただ惜しむらくは音響が貧弱だったこと。この間の武道館は通常のライヴと同等の音響システムを組んで爆音を響かせてくれたから、冒頭の観客の耳をつんざくような大歓声でまさにライヴを擬似体験しているような感覚が味わえたし、上映が終わった直後は耳がジーンとしたほど。吉祥寺のバウスシアターならともかく、普通の映画館ではそこまでは望めないことが分かった。
武道館並みの音響システムでこの映画を見ることは今後恐らく無いので、自宅でDVDを鑑賞する時は、ヘッドフォンを付けてフル・ヴォリュームで見ようと決意した。現在のようにクレーンを使った俯瞰の映像とか、レールの上でカメラを走らせてスピード感のあるアングルを狙うとか、ということができない時代の映画だけに、今の感覚ではカメラ・ワークが単調に思えるのは仕方の無いところ。それだけに音響こそがこの映画の肝とも言える。72年のストーンズの演奏がスリリングだったことは、ファンなら誰もが認めるはずだ。
「ヒート・アップしようぜ」というミックの台詞を合図に始まる「オール・ダウン・ザ・ライン」とか、ミックがイントロのハープを吹き始める直前の一瞬の緊張感が堪らない「ミッドナイト・ランブラー」とか、何度見ても興奮させられる。この時代のまともな映像がこうして見られるようになったのは、つくづく嬉しい限り。
この映画を2度見て気付いた点をいくつか。
その1。「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のエンディングでチャーリーが派手にミスをしている。ひとりだけ早く終わってしまうのだ。リフを続けていたキースが笑いながら「お前、何やってんだよ」と突っ込み、ミックも苦笑しながらドラムを振り返る場面は、ストーンズほどの巨大なバンドが、そこらの兄ちゃんがやってるバンドのように見える瞬間。これは微笑ましかった。
その2。キースのジーンズの股間に、小さなベロマークが縫い付けてあった。
その3。エンドロールのクレジットに、イアン・スチュワートの名前が。彼は映画には登場しないが、「mystery piano」としてクレジットされていた。ピアノのオーヴァー・ダビングでも担当したのか?
その4。同じくエンドロールのサンクス・クレジットにジョン・レノンとヨーコ・オノの名前。この映画はアップル・フィルムズが協力したらしいので、その関係だろうか。「THE WHO」の名もあったが、これは何故だろう。また「BOB(WHO?)」とはどこのボブ?あとはキャット・スティーヴンスの名前もあった。72年当時人気のあった、あのシンガー・ソングライターのキャット・スティーヴンスか?こんな名前の同名別人はあまりいないと思うが、彼がストーンズと関わりがあったとは寡聞にして知らない。
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【10月25日追記】
上記デラックス・エディションの日本盤は発売中止に。その代わり『Ladies & Gentlemen 〜Japanese Edition』というセットが出ます。詳しくは10月25日付けエントリーを!
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