パワーポップ備忘録 ワンワン編

これ見よがしなコレクション自慢



◆『Mirror Stars/Think Pink 』The Fabulous Poodles

Mirror Stars / Think Pink (Reis)

Mirror Stars / Think Pink (Reis)

 ファビュラス・プードルズ、通称ファブプーの3枚目と4枚目のアルバムが2 in 1でCD化。
 パブ・ロックとパンクの狭間の時期にイギリスで活動したバンドで、メンバーにフィドル奏者がいるというユニークな編成と、キャッチーな曲が多かったことから、後にパワー・ポップの一種として一部で評価された。ファーストの『Fabulous Poodles』をプロデュースしたのはザ・フージョン・エントウィッスルであることも有名。
 フィドル担当のちょび髭のメンバー、ボビー・ヴァレンティノは80年代にセッション・ミュージシャンとして多数の作品に客演。ロック界でフィドルが弾ける人は多くなかったために、重宝されたようだ。90年代にはソロ・アルバムも発売しており、これも一部で話題になった。
 ファブプーの作品は以前ベスト盤のCDが出たことがあったが、オリジナル・アルバムのCD化としてはこれが初めてのはず。尤もサード扱いになっている『Mirror Stars』はアメリカ向けの編集盤で、内容はイギリスで発売済だったファーストとセカンドから抜粋されたもの。ファーストとセカンドもオリジナル仕様でCD化してもらいたいところ。
 下はファブプーの貴重なテレビ出演映像で、「Mirror Stars」のスタジオライヴ。



◆『Laughing Dogs/The Laughing Dogs Meet Their Makers』Laughing Dogs
Laughing Dogs (Reis)

Laughing Dogs (Reis)

 ファブプーと同時にリリースされた、ラフィン・ドッグスのファーストとセカンドの2 in 1CD。これも初CD化。
 ファブプーとほぼ同時期にニューヨークで活動していたバンドで、CBGB'sのライヴ盤にも収録されている。ただニューヨーク・パンク一派の中ではかなりポップな音を得意としており、こちらもやはり後にパワー・ポップ・バンドとして認知されるに至った。どちらかと言えばモダーン・ラヴァーズ、グレッグ・キーン・バンド、フレイミン・グルーヴィーズらの影響が強いか。
 とは言ってもラモーンズパティ・スミス・グループとツアーを共にしたこともあるし、何より時代はパンクの風が吹いていた。従ってライヴはかなり激しく、アグレッシヴなものだったようだ。その片鱗は下の映像で確認できる。ファースト収録の「I Need A Million」のライヴ映像。

 今回CDで発売されたファースト、セカンドともに傑作と呼んで差し支えないものだが、こういう映像を見せられるとライヴが見たかったなあと思う。


 上記2タイトルをリリースしたのはAmerican Beat Recordsというリイシュー専門のレーベルで、他にもA'sとかFoolsといったB級な、しかしパワー・ポップ・ファンにはたまらないバンドのCDを出している。