パワーポップ備忘録 ワンワン編
◆『Mirror Stars/Think Pink 』The Fabulous Poodles
Mirror Stars / Think Pink (Reis)
- アーティスト: Fabulous Poodles
- 出版社/メーカー: American Beat
- 発売日: 2009/08/11
- メディア: CD
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パブ・ロックとパンクの狭間の時期にイギリスで活動したバンドで、メンバーにフィドル奏者がいるというユニークな編成と、キャッチーな曲が多かったことから、後にパワー・ポップの一種として一部で評価された。ファーストの『Fabulous Poodles』をプロデュースしたのはザ・フーのジョン・エントウィッスルであることも有名。
フィドル担当のちょび髭のメンバー、ボビー・ヴァレンティノは80年代にセッション・ミュージシャンとして多数の作品に客演。ロック界でフィドルが弾ける人は多くなかったために、重宝されたようだ。90年代にはソロ・アルバムも発売しており、これも一部で話題になった。
ファブプーの作品は以前ベスト盤のCDが出たことがあったが、オリジナル・アルバムのCD化としてはこれが初めてのはず。尤もサード扱いになっている『Mirror Stars』はアメリカ向けの編集盤で、内容はイギリスで発売済だったファーストとセカンドから抜粋されたもの。ファーストとセカンドもオリジナル仕様でCD化してもらいたいところ。
下はファブプーの貴重なテレビ出演映像で、「Mirror Stars」のスタジオライヴ。
◆『Laughing Dogs/The Laughing Dogs Meet Their Makers』Laughing Dogs
- アーティスト: Laughing Dogs
- 出版社/メーカー: American Beat
- 発売日: 2009/08/11
- メディア: CD
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ファブプーとほぼ同時期にニューヨークで活動していたバンドで、CBGB'sのライヴ盤にも収録されている。ただニューヨーク・パンク一派の中ではかなりポップな音を得意としており、こちらもやはり後にパワー・ポップ・バンドとして認知されるに至った。どちらかと言えばモダーン・ラヴァーズ、グレッグ・キーン・バンド、フレイミン・グルーヴィーズらの影響が強いか。
とは言ってもラモーンズやパティ・スミス・グループとツアーを共にしたこともあるし、何より時代はパンクの風が吹いていた。従ってライヴはかなり激しく、アグレッシヴなものだったようだ。その片鱗は下の映像で確認できる。ファースト収録の「I Need A Million」のライヴ映像。
今回CDで発売されたファースト、セカンドともに傑作と呼んで差し支えないものだが、こういう映像を見せられるとライヴが見たかったなあと思う。
上記2タイトルをリリースしたのはAmerican Beat Recordsというリイシュー専門のレーベルで、他にもA'sとかFoolsといったB級な、しかしパワー・ポップ・ファンにはたまらないバンドのCDを出している。