遅デジ化



草ナギの地デジ推進キャラ復帰に慎重

民放連の広瀬道貞会長は28日の定例会見で、活動再開したSMAP・草ナギ剛(34)の、地上デジタル放送推進キャラクター復帰について「テレビの場合は公共性が強い。再出発した草ナギくんに対する世間の見方を十分検討した上で、再登場なるかならないか考えることになると思う」と、慎重な考えを示した。

 復帰しようがどうしようが、どっちでもいいのですけどね。ただ例の公然わいせつでの逮捕騒動ってもしかしてヤラセだったのでは?とふと思ったので。何のためのヤラセかと言えば、地デジ普及促進のためのだ。
 ご存知のようにテレビのアナログ放送は再来年の7月には終了してしまう。そのことは国民の大多数が知っているにも関わらず、地上デジタル放送を視聴している世帯はてんで増えていない。
 こちらの記事を読むと、

地上アナログテレビ放送が終了することについては、認知度97.7%となった。ただし時期の認知度は89.6%。また地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は60.7%だった。

 とある。これは今年5/7に公表されたデータ。「地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率は60.7%」とは言っても、家の中に対応テレビや対応録画機がある普及率であって、地デジを視聴している世帯とはイコールではない。「デジタル・テレビの保有世帯のうち,10%弱が地上アナログ放送を視聴している」というデータもある(参照)。
 後2年ほどでテレビが見られなくなることは知っていても、デジタル化に対応しようという動きは極めて鈍い。あの騒動はこの状況を打破するためのカンフル剤として用意されたというのが私の仮説。
 国民的に認知度の高いタレントの逮捕、しかも容疑が公然わいせつ罪となれば、スキャンダラスであり、ショッキングだ。その報道直後に日本中が話題騒然となったのは記憶に新しいところ。逮捕当初こそ「軽率だ」「呆れた」などの声が多かったものの、鳩山大臣の「最低の人間、絶対許さない」発言あたりを境に、多くの人がそこまで言われるほどのことかと気付き、草薙擁護論は急速に広まった。結局不起訴に終わったこともあり、お咎めが無かったばかりか、タレントイメージにもほとんど傷が付くことなく、短期間で仕事に復帰している。
 この騒動と同時進行で注目を集めたのが、草薙君がイメージキャラクターを担当していた地デジ推進活動だ。私などあの騒動が起きるまで草薙君がそういう仕事をしていたことを知らなかった。注目が集まれば、当然関心も高まる。関心の高さは普及率に直結するのは道理だ。逮捕直後のあまりにも早いタイミングで、地デジカなるゆるキャラを登場させたのも、見方によっては巧妙な計算があったのではないかと思える。地デジカを見た時、誰もが失笑しただろう。指をさされて笑われるのは、違和感の無い代役を立てるよりはるかに目立つ。
 「クサナギくん、地デジの普及率が伸びないんだよ〜。ここはひとつ汚れ役を引き受けてくれないか。何、悪いようにはしないって」などという話が、今年の初め頃に総務省の一室で行われていたのではないかな、などと妄想してしまう。言わば捨て身戦法。地デジ推進のための飛び道具として仕組まれたのが、先日の騒動だったという説は無理があるだろうか。その戦法が功を奏したかどうかは知らないが。