死ぬまで一緒に



 ようやく清志郎以外の音楽が聴けるような気がしてきた。タイミング良く届いたのが、先月米Amazonに発注していたボブ・ディランの『Together Through Life』。
 先ほど一回通して聴いたのだが、まるで仙人のロックンロール。ここまで来ると誰にもディランに口出しできない。というより、口出しする気にもならないのではないか。俗世を離れた悠々自適ぶりに思わずフハハハと笑いがこみ上げてくるほど痛快。
 大ヒットした前作は世評ほど買っておらず、「まあ、いいんじゃないか」ぐらいの感想だったが、こちらはそれよりは愛聴しそう。ブルース色が強いせいかな。デヴィッド・ヒダルゴのアコーディオンが良いアクセントになっていることも好み。
 私が購入したのはラジオ・ショウ音源とDVDが付いた限定仕様のもの。送料を足しても日本のアマゾンで買うよりずっと安かった。恐らく実店舗も歯が立たないほど。米Amazonへアクセスすると「日本でお買い物しましょう」と日本語の表示が出るけれど、これだけ価格差があったら誰だって米Amazonで買ってしまうだろう。同じ仕様の日本盤は、6月発売の上、値段が倍以上とあってはなおさら。日本のCDショップやレコード会社は、海外との価格差に対抗できるだけの体力を既に消耗し切っているとしか思えない。