Look Before You Leap



 年の瀬ムードが日に日に高まる今日この頃。どちら様もお忙しいことでしょう。私もご他聞に漏れず、日付が変わる頃に帰宅するような毎日を送っており、合間を見て風邪を引いて寝込んだりしています。そんな事情もあって日記どころではないのですが、久しぶりの休日だった今日は放り出したままの雑事をそのまま放置して、比較的のんびり過ごしました。Amazonに注文していたCDなどが不在のため受け取れないままになっていたので、それを受け取るために外出できないという事情もあったりして。

Hits

Hits

 これが本日手にしたものの1枚。60年代ブリティッシュ・ビートの重要バンドながら、リーダーのデイヴ・クラークが異常なまでに音源管理に厳しく、気軽に音が聴けないバンドだった。90年代前半にベスト盤がCDで発売されたことがあったけれど、すぐに廃盤になってしまい、中古市場では笑ってしまうような高値で取引されていた。正規にCD化されたのはベストだけで、オリジナル・アルバムは未だCD化されていない。LPを2枚ずつカップリングしたCDも出回ったが、非公式なものらしい。
 最近発売されたこの新装ベストは、1枚もので未発表曲1曲を含む28曲入り。またすぐ廃盤になるかもしれないと危機感を抱いたので早めに購入。
 世代的にはもちろんリアル・タイムで聴いていたバンドではないものの、私がブリティッシュ・ビートを最も好んでいたのは中学〜高校生ぐらいのことで、当時はそうそうレコードも買えなかったため、この辺のバンドを特集したFM番組は片っ端からエア・チェックして聴いていた。従ってデイヴ・クラーク・ファイヴもヒット曲ぐらいは把握しており、このCDを聴いて懐かしい記憶がいろいろと蘇った。
 改めて聴いてみて、懐かしさと同時にサウンドのユニークさも楽しめた。キーボードとサックスが入っていることからサウンドに厚みがあり、ラウドな演奏を身上としたこともあってトラッシュな魅力もある。60年代にアメリカ各地で雨後のたけのこのごとく誕生したガレージ・バンドにも多大な影響を与えたと思われる。事実、このバンドは本国英国よりアメリカでの方がヒット曲が多いのだ。

 ジョニー・サンダースがこの曲をカヴァーしたのもDC5で聴いたのが切っ掛けではないかと妄想。
 リマスターされているようで音質も良好。ブックレットにはバンドのバイオ文が掲載されているのだが、DC5がいかに人気があって、偉大で、成功したかが延々と書かれている代物で、いささかうんざりする(笑)。ジョン・トラボルタも子どもの頃DC5のファンで、弁当箱に写真を貼るほどだった!とかどうでもいい情報まで知ることができます。このバイオ文は無署名だけど、まさかデイヴ・クラーク氏が自分で書いたんじゃないだろうなあ。そんな威を借りるような真似をしなくても、音楽的に十分評価に値する実績を残したのだから、音源を出し惜しみしないでオリジナル・アルバムも正規にCD化すればいいのに。