レコードは本当にもうダメかもしれんねぇ

k_turner2008-08-08



 定期の通院日。出勤時間と同じ時間帯に病院へ向かい、昼前には診察を終える。帰りしな、その足で新宿へ。DISKUNIONの新宿PUNKMARKETから、新宿ACBで1日限定の100円市があるとメールが届いていたので、どれどれと冷やかすためだ。
 アスファルトの照り返しがきつい歌舞伎町を抜けて、コマ劇場裏手のACBへ。ライヴハウスのフロアにエサ箱がぞんざいに置かれ、夕刻まで限定のバーゲンセールが開催中だった。
 値札に関係なくどれでも100円と張り紙がしてある。7インチに至っては5枚で100円という、ほとんど持ってけ泥棒状態。値札を見ると元々は300円〜800円ぐらいのものが多いようだ。中古盤とはいえ原価割れなのは明らかだが、それでも廃棄するよりはましなのだろうか。
 レコードはもう産業廃棄物寸前の状態であることを見せ付けられているようで悲しい。昔アメリカのバンドと大阪のバンドのスプリットの7インチ盤を作ったことがあって、1枚のレコードが出来上がるまでの苦労をそれなりに知っているだけになおさら。一部のコレクターズ・アイテムなどはまだそれなりの値段で取引されるのだろうが、それは再生メディアではなく、非実用的な骨董品だからなあ。
 PUNKMARKETのバーゲンなので当然パンク周辺の品揃え。私の好きな初期パンク、ガレージ、パワー・ポップ、パブ・ロック、ロカビリーあたりを重点的に掘った。この値段ならちょっとでも気になればバンバン買える。「これは持っていたかもしれないな」と思っても、気にせずお買い上げ。
 小一時間ばかりエサ箱を漁って、7インチ盤を25枚、LP(12インチシングル含む)を5枚、CD3枚をゲット。〆て1300円。バカみたいに安い。これでも本当は未チェックのエサ箱が4分の1ほど残っていたのだが、35℃の炎天下の中、両手に抱え切れる限界だと思って断念した。
 レジには店員が4人もいて、全員で手分けして値札を剥がすのにおおわらわだった。ごめんよ、たったこれだけの売り上げに労力を割かせて。因みにこの時間帯に私以外の客は5人ぐらいしかいなかった。( ;´・ω・`)人(´・ω・`; )


 帰宅して戦利品をターンテーブルに乗せ、とっかえひっかえ聴き倒す。Shakin' Stevensの81年のシングル、「You Drive Me Crazy」が軽やかでイイ感じ。Switch TroutやRegistratorsの7インチは予想通りの出来で満足。Cheap TrickやらElvis Presleyといった曲自体はお馴染みのものも、7インチで聴くとまた味わい深かったり。Thee S.T.P.という全然知らないイタリアのガレージ・バンドも思わぬ拾い物。
 「エエなあ〜、カッコエエなあ〜」とひとりごちながら値段以上に楽しめた。半日かけても全部聴き切れないのだから、何と安上がりな趣味なのだろう。私が死んだらきっと今の所蔵レコードは廃棄されてしまうのだろうが、せめて生きている間は聴けるだけ聴いてやらねば。