考える 考える 来月のこと どうでもいいこと



ドキュメント「考える」
 昨夜放送されたNHKの番組。ロマーンズのナツコ・ロマーンが出るというので、ドキドキしながら見た。
 番組は与えられたミッションに対し、箭内道彦がどのようなプロセスを経て回答に結びつけるのかを追うドキュメンタリーで、「箭内道彦が世間に発したいメッセージをCMにせよ」というミッションを遂行すべく、試行錯誤を繰り返す様が映し出されていた。
 そのCMに被せる曲を箭内が自ら作詞作曲。誰が歌うのかが重要なポイントとなっていたのだが、当初起用されていた高橋優という男性シンガーソングライターがイメージと合致せず、最終的に呼ばれたのがナツコ・ロマーンだったのだ。
 曲はバラード、しかも伴奏はピアノのみである。ナツコロのパンク・ヴォイスでちゃんと歌えるのかハラハラしたが、仕上がりは素晴らしいの一言。涙が出そうだった。この意外な取り合わせはパティ・スミスが歌う「恋するデビー(You Light Up My Life)」を聴いた時のことを思い出させた。あのはかなさ、愛らしさに通じるものがあった。
 最初に歌っていた高橋優は彼がいつもそうしているというアコースティック・ギターの弾き語りで、決して悪いとは思わなかったが、出来上がったCMを比較したらナツコ・ロマーンが歌った方が圧倒的に訴えるものがあった。箭内道彦のプロデュース能力の高さは認めねばならないだろう。悔しいけれど。
 起用されたのが締め切りギリギリだったせいか、ナツコロが画面に登場したのはレコーディングの様子を映した数秒でしかなかった。だが録音した歌声はフルで流れ、テロップで「歌 ジョニー・ナツコ・ロマーン」とちゃんとクレジットも入っていた。出世したなあ(笑)。


 以下独り言。考えるというのは生きている限り続く行為で、常々何かを考えながら生きているのは誰しも同じ。考えているだけで前へ進まないのは問題だが、簡単に結論が出るようなことは、実はどうでもいいことではないかと。これが正解。これ以外の結論は無いと分かったら、却って推進力にならないことに気付いた。