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ステージで「チベット独立」叫んだ歌手ビョーク、当局激怒で法的手段に(Record Chinaより)

今月2日に上海市で行われたコンサートで、ビョークはステージ上で中国当局から許可を得ていない楽曲「Declare Independence(独立宣言)」を歌い始め、突然「チベットチベット!」と叫んだという。これには中国の聴衆も驚き、事件は瞬く間に内外に報道された。
中国文化部スポークスマンは、政府は国際的文化交流活動を積極的に奨励しているが、国内で活動する海外のアーチストや団体は国家の「営業性演出管理条例」を遵守しなければならないと強調。この規定に違反して個人的な芸術活動を政治利用し、中国人民の感情を傷つけるアーチストは歓迎しない、と強い不満の意を表明。ビョークには法的措置をとると述べたうえで、今後中国を訪れる海外のアーチストや団体の芸術活動について、より厳しいチェックを行うことを明らかにした。

 チベットの現状について正しい情報を持っていない私はビョークの言動そのものについてコメントできない。ただ言論を弾圧する中国当局の方針には呆れている。法的措置と言ってもまさか逮捕、拘留などということには発展しないだろうが、というかできるはずがないが、芸術表現の自由を認めない態度を明確にした国家という点で中国を軽蔑する。
 数日前にはこんな報道もあった。
公演で「チベット独立」叫んだビョークに、中国政府が非難声明(AFPより)

 ビョークは、公演で歌った『Declare Independence(独立を宣言しよう)』という曲の最後の部分で「チベットチベット」と叫んだという。この件について、レイキャビク(Reykjavik)の中国大使館は次のような声明を発表した。
ビョークさんが上海で取った行動に、中国の人々は強い憤りを感じている。中国は多民族国家であり、チベットは古代から中国の不可分の一部だ。これが国際社会の認識とされており、チベットを独立国家として認めている国はひとつもない。チベットを中国から独立させようとするいかなる試みも、中国人と正義を重んじる世界中の人々から、必ず反対を受けるだろう」

 非難声明から法的措置へとより強硬な態度に出たわけね。ローリング・ストーンズが上海で公演を行った際は、崔健をステージに上げたことが辛うじて反体制的な行動だったと記憶する。あの時は何のお咎めも無かった。まあ、ストーンズは演奏許可が取れていた曲しかプレイしなかったしね。それと比較すると、中国当局ビョークに対して過剰に反応しているような気もする。中国におけるチベットの存在は、それだけ触れられたくないデリケートな問題なのだろうし、またビョークの影響力を軽視していないということだ。