What I bought on eBay



"Ebay" by Weird Al Yankovic

 多分すごく有名なビデオで、話題としては充分古いのだろうけれど、私は今日初めて見て、腹がよじれるほど笑った。お分かりのように元ネタはバックストリート・ボーイズの曲。ただしこの際それはどうでもいい。ウィアード・アル・ヤンコヴィックによって歌われている内容が素晴らしすぎるのだ。
 「古着のピンクのバスローブ、レアな新品のスノー・グローブ、スマーフのお盆…、俺がeBayで買ったんだ」と始まり、eBayにハマった買い物依存症の男が歌われている。家の中は梱包材のプチプチで包まれたガラクタだらけで、石のペットやら、アルフの目覚まし時計やら、自分でも何故こんなものを落札しているのか分からないけれど、それでもまだまだ買いたいものは尽きない。オークション終了時間の2秒前に入札し、確実に仕留めてやる。PaypalもVisaも何でも使って、金の続く限り買いまくるぜ、パックマンの弁当箱から、ドクター・ドレが鼻をかんだクリネックスまで…というもの。
 8年ぐらい前、私もeBayにはどっぷり浸かっていて、この歌のように日々落札を続けていたことがある。対象はレコードかCDだったけど。それこそ「会ったこともないノルウェーの男」が出品したマイナーなパンク・バンドの7インチなどを落札したりして、キズだらけのレコードが「常にポストを満たしている」状態だった。だから非常に共感できる。
 元々この曲は2003年頃に発売されたもので、数々の傑作ビデオを残したアル・ヤンコヴィックにしては意外なことに、ビデオ・クリップが制作されていなかったようだ。発売から数年後の昨年になって、ビデオが勝手に制作され、YouTubeにアップされたのが上のもの。歌詞がダイレクトに分からない私のような者には、映像が無かったらここまで笑えなかったと思う。手軽に作られたこのビデオがウケたため、我も我もと後続のビデオが作られており、ざっと探しただけで、同様の作品は現在20本近く見つかる。後から作られたものは写真が違うだけで、同じ趣向のものが多いが、これなどは寸劇風の作りで面白かった。

 物質文明に対する警告であるとか、大量消費に対する批判であるとか、そんなことを言うつもりはない。ただ面白いから、それで良いと思う。