James Brown is still alive



ジェームス・ブラウン、死去
 今知った。信じられない。
 JBは不死身だと思っていたのに…。


公式サイト
Wikipedia





【追記】
 私が訃報を知ったのは26日の午前1時頃。mixiのニュースによってだった。第一報が入ったのは25日の17時頃だったようなので、8時間ほど遅かったか。
 何しろ驚いた。最初の感想はそれ以外出てこなかった。あのJBが死んでしまうなんて。100歳になっても200歳になっても、ファンキーに踊り続けるものだとばかり思っていた。
 最初に買ったJBのレコードは、クリフ・ホワイトが編集したベスト盤、『Sex Machine & Other Soul Classics』だった。85年頃のことだ。今考えると、10代の、それもファンクという音楽をろくに知らない頃に手を出すレコードとしては、なかなか良い選択だったと思う。
 「ソウルのゴッドファーザー」とか「ファンクの帝王」などの肩書きは知っていたので、どんなものなのだろうと興味を持ち、聴いてみたのだが、ファンクに免疫の無い時分のことなので、「Try Me」などのバラードを除けば、最初の2〜3回は全部同じ曲に聴こえ、何が何だか分からなかった。それでも我慢して聴いていたら、徐々にそのリズムに中毒性があることが分かり、気が付いたら朝から晩まで同じレコードを繰り返し掛けていたのだった。その時に私の中で、ファンク=カッコイイという価値観が生まれたのだと思う。
 初めてライヴを見たのは92年4月3日、代々木体育館だった。88年にJBが服役して、出所後最初の来日だったはず。その時既に還暦を目前にした年齢だったのに、尋常ではないパワーに圧倒された。以来、JB不死身説は私にとって強固なものになった。最後に客電が点いたのに、満員の観客が誰一人帰ろうとせず、興奮のあまり床を踏み鳴らしながら「JB!JB!」と叫び、アンコールを求めたあの光景は、今もって忘れられない。
 頻繁に来日してくれたので、ライヴは都合5回ほど見ている。前年よりステップの切れが良くなっていて、また驚かされた93年の横浜アリーナ、観客のエネルギーを吸収して還元するかのような、貪欲なまでのエンターテイナーぶりを見せつけられた98年の赤坂ブリッツなど、どのライヴも思い出深い。ライヴ・パフォーマンスにおいてその本領を発揮するJBだけに、何度も見ることができたのは良かった。欲を言うならばもっともっと見たかったが。
 音楽的な功績に関しては、改めて述べるまでもないだろう。帝王の名に偽りは無く、ソウル、ファンクの分野でJBを越える存在は見当たらない。JBの前では、どんな評価も過大にはならないのだ。
 90年代の前半頃にテレビで見たJBのインタビューが忘れられない。「30年以上の長きに亘って、第一線に君臨し続けた理由は何だと思いますか」という質問に対する答えが振るっていたのだ。
 「私は常に人々が望むものではなく、必要なものを与えてきたからだ。分かるか?WANTじゃない、NEEDだ」
 これを見て、私はテレビの前で涙をこぼした。何とスゴイことを言う人なのだろうと。暴行や麻薬で何度か逮捕されたこともあり、素行の悪さにかけては人後に落ちないJBだが、それでも人として尊敬していた。仮にJBが100年ほど早く、アフリカの部族に生まれていたならば、間違いなく酋長になっていただろう。こんな酋長ならば、喜んで下僕になれるだろうとも思った。
 朝からYouTubeでJB関連の映像を見続け、そしてこれを書いていて、やっとあのジェームス・ブラウンがこの世にいないことが実感として理解できるようになってきた。超人でも死んでしまうのだな、と。でもまだ「I Feeeeeel Gooooooooood!!!!!!」とか言って蘇りそうな気もする。今はHardest Working Man in Show Businessに与えられた、しばしの休息なのではないかと。



 有名な「Popcorn」のスタジオライヴ。これぞファンキー大統領。身震いするほどカッコイイ。

 これも有名。66年のエドサリヴァン・ショウから。マイケル・ジャクソンやプリンスがいかにJBから影響を受けているか分かろうというもの。
http://video.google.com/videoplay?docid=1548365306623561800
 そのマイケルとプリンスが登場する映像。83年ぐらいのライヴだったと記憶する。マイケルの登場シーンは以前市販されていたビデオでも見ることが出来たが、プリンスのシーンは一度も市販されたことは無いと思う。間違っていたらスミマセン。

 こちらはレニー・クラヴィッツとの共演。バンドはちょっとあれだが、JBのパフォーマンスには切れがある。レニーも好演。

 今年のUK MUSIC HALL OF FAMEより。Rest in Phunk.