War is over IF you want it



 今年最後の通院日。朝から電車を乗り継いでいつもの病院へ。
 外来受付を済ませた後、担当の女性からクリスマスプレゼントをいただく。小さなビニール袋に「Merry Christmas」と書かれたカードと共に入っていたのはわけぎ。ドライフードで、味噌汁などに入れるあれで、曰く「ヘルシーだから」だそうだ。そういえば去年は昆布を貰ったなあ。いただけるものは何でも嬉しいので、ありがたく頂戴する。
 診察結果は…。まあ、最近は結果に一喜一憂しない。なるようにしかならないと達観したというよりも、いちいち気にすることに飽きてしまった。ただ主治医の先生を始め、病院の皆さんには今年も大変お世話になったことは感謝の言葉もない。
 帰り道に新宿へ寄り、映画「硫黄島からの手紙」を見る。
 大スクリーンと整った音響設備で見る戦闘シーンの迫力たるや凄まじく、戦慄を覚えた。そういう点では戦争の悲惨さ、残虐さは伝わるものがあったが、見終わった後に何とも形容しがたいしこりのようなものを感じる。
 これは何だろうかと考えているが、どうもアメリカ人の視点で描いた日本人の姿であることにリアリティの欠如が見られるからではないかと思う。登場人物の誰もが理性的で知性的な人物なのだ。戦況が悪化し、自決する兵士が次々現れるのに、その極限状態に置かれているはずの人間に狂気が感じられない。納得ずくで死んでいくようにすら見える。私にはもちろん戦争の経験などないが、人間ってそこまで割り切れるものかね。合理主義のアメリカ人から見たら、そうであってくれないと理解できないものだったのだろう。太平洋戦争なんて今の私から見ても理解を超えたキチガイ沙汰だからね。
 史実をモチーフとしたフィクションとして見れば、充分見応えはあり、よく出来た映画だとは思う。