Does Anybody Really Know What Time It Is?



「オリコン」が烏賀陽弘道氏個人を被告に5000万円の損害賠償訴訟音楽配信メモ


 あまりにも現実離れした話なので、にわかには信じ難い。これが事実だとするならば、オリコンってどこの北朝鮮?って話だ。
 烏賀陽氏のメールには「月刊誌「サイゾー」編集部に損害賠償訴訟の訴状が送られてきました」とあるので、既に提訴されたということなのだろう。その前にオリコン烏賀陽氏、或いはサイゾー編集部の間にどのようなやり取りがあったのか、無かったのかは分からない。ただ損害賠償を請求するということは、5000万の損害を受けたとする根拠が無ければならない。民法では「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」(第709条)と規定されている。
 烏賀陽氏自身、「相手が払えない(そしてビビる)高額であればそれでいいという額をテキトーに選んだ印象を受けます」と書いている通り、この金額の算出根拠は全く不透明。ということは仮に裁判の結果、オリコン側の主張が認められたとしても、5000万也の賠償金を支払えという結論に至る可能性は極めて低いと考えられる。常識的に考えても妥当な金額ではないことぐらい誰の目にも明らかだ。つまり目的は烏賀陽氏から賠償金を取ることではなく、オリコンにとって都合の悪いことを触れ回る烏賀陽氏個人を社会的に抹殺することだと推察される。
 音楽ジャーナリストも舐められたものでございます。
 烏賀陽氏は以前この日記でも触れた通り、音楽ライターが受け取る原稿料について問題提起した方でもあり、音楽そのものに加え音楽ジャーナリズムのあり方についても積極的に発言しているとの印象がある。その烏賀陽氏がこの一件に巻き込まれたということは、飛躍すれば「音楽ライターなんて提灯記事さえ書いてりゃいいんだよ」と言われているようにも思える。そんな横暴が許されていいはずはない。言論、表現の自由は保証されないのかと暗澹たる気分になる。
 この程度のことでも吹けば飛んでしまうのが、貧乏な音楽ライターの現実だったとしても、少なくとも甘んじて受け入れることは断固拒否すべきだ。あくまで書かれているようなことが全て事実だったとして申し上げるが、何とか烏賀陽氏を支援したい。