風邪引き日記 その4



 本来ならこの日も出勤しなければならない日。朝体温を測ったら、37度ちょうどになっていた。来月の収入が頭を翳め、出勤するべきだと思ったが、立ち上がったらフラフラするし、下痢は続いているし、食欲は無いしと、ネガティヴ要因の多さに敗北。職場に電話を入れ、もう1日休ませてもらうことにする。来月の生活が心配だ。
 体調は回復してきているので、せめて時間を有効に使おうと、買っただけで読んでいなかった本を開くが、硬めの本は半ページも読むと眩暈を覚えてしまい、内容が頭に入らない。仕方がないので吾妻ひでおの「うつうつ日記」とか、レコードコレクターズのバックナンバーなど、読んだことがあり、なおかつ軽い内容のものをめくる。
 昼過ぎになり、この3日間で初めて食欲を覚える。昨夜茹でたうどんの残り半玉を、またモツ鍋に投入し、食す。既にキャベツなどは原型を留めていないが、食べたいと思って食べ、満足感を得たのは久しぶり。ようやく人間に戻ってきたか。
 夕方になり、ふと思い立ってこの日記を書く。普段ここではプライベートなことは余り書いていないが、書く気になったのは、病人特有の病気自慢がしたかったからと、廃人同然で過ごした3日間の借りを少しでも返そうと思ったからだろうな。