Ordinary fool

k_turner2006-08-14



 引き続き、『cure jazz』収録曲の別ヴァージョンを探している。
 「Born to be blue」と言えば、ヘレン・メリルの『ウィズ・クリフォード・ブラウン』が有名なので、とりあえずはこれだな。しかしそれ以外の曲はどれを聴けばいいのやら…。
 「Over the rainbow」なんてジャズ・シンガーだけでもカヴァーが有り過ぎて、菊地さんがUAに聴かせたのは誰のヴァージョンだったのか、突き止めるのは困難だ。尤も、UA × 菊地成孔ヴァージョンはかなり独自なアレンジなので、元ネタを検証する必要はあまり無いと言えるが。
 「Night in Tunisia」も非常に有名なスタンダードで、ジャズ・メンなら一度は演奏する曲だが、こちらはヴォーカル作品は意外に少ない。調べたらエラ・フィッツジェラルドがレコーディングしていたので、これを参考にしたかなという気がする。『Clap Hands, Here Comes Charlie!』というVerve時代のアルバムに入っているようだ。
 「Ordinary fool」は元々ポール・ウィリアムスがオリジナルで、ジャズ・シンガーではエラ・フィッツジェラルドと、メル・トーメがレコーディングしていることが判明。となるとこれもエラが元ネタか?
 「Luiza」はアントニオ・カルロス・ジョビンの曲で、3月に60人限定のライヴで披露した時も「オリジナルはジョビンで〜」と菊地さんが解説していたのを覚えているから、ジョビンのヴァージョンを聴いて選んだのだろう。調べたらベスト盤にも多数収録されていた。
 手元にあったアルバムはヘレン・メリルだけだったので、それ以外は探しながら徐々に集めていくしかなかろう。しかし、この行程が楽しくて仕方がない。


 どの曲が誰の何というアルバムに入っているのかを調べるのに便利なのが、AMGと並んでアマゾンやHMVなどのCD通販サイトだ。情報を補完、確認するだけでなくて、今買えるのはどれかまで分かるからね。
 ということでカチカチとクリックしていたら、ビクターが6〜7月に発売した「JAZZ紙ジャケ十八番シリーズ 」HMVで20%引きのバーゲン価格になっていることを発見。Prestige、Riverside、Pabloなど、ジャズの名門レーベルに残された傑作ばかり300タイトルを紙ジャケ、K2HDコーディング仕様でリイシューしたもので、元々1,800円と紙ジャケ再発としては安目の価格設定にも関わらず、2割引なので1,440円で買えてしまう。
 ウヒヒヒヒとほくそえみながら、気が付いたらセロニアス・モンク『 Thelonious Monk Trio 』など、計5枚をカートに入れていた。それでも7,000円ちょっとなのだから、申し訳ないぐらい安いし、K2HDは音質も素晴らしいので全く後悔していない。
 結局『cure jazz』の別ヴァージョン探索はまたの機会に持ち越されたのだが、新しい動きが少ない分、評価が固まっているのがジャズの良いところでもあって、のんびりと集めることにする。