苗場に行くと家を出て/遠い夏のことだっけ/ああ、この街で会えるなんて不思議

k_turner2006-08-03



フジロック'06総括後編
 また昨日の続き。さー、今日も愚痴るぞー。しかし読んでいる方はこんなの面白いのでしょうか?書く方はいい加減飽きてきているので、さっさと終わらせます。
【7/30】
 早くもフジロック最終日。起床9時。宿の朝食は今日も諦めて、すぐに会場へ出発。10時20分からレッド・マーキーでよりによってギターウルフ。10時少し前に会場に到着して、ワールド・レストランで見つけたフレンチ・トースト・セットで優雅に朝ご飯。美味かった。これで狼に立ち向かえる。
 「朝っぱらからオールナイトでぶっ飛ばせーーっ!!」というよく考えたら何だかわからないオープニングから、ウルフのライヴはいつも通り最高にバカで最高に最高。
 ウルフが終わり、ホワイトロッジへ行ったら、私のパソコンはやっと立ち上がってくれた。出来の悪い子を持つ親の心境で、泣きそうになる。「やればできるやないか。。」早速昨日のcutman-boocheのレポをアップ。そして今見たウルフのレポを書いて、これもアップ。
 ライターにはスポンサーから借りたコンパクトデジカメが貸与されており、持ち歩いて会場内で見かけたネタや、食べた物、インタビューした観客などを撮ってくることになっている。私はライヴのレポを中心に担当していたけれど、他のスタッフにはこちらをメインに担当している人、出店とかNGOのブースとかをメインに担当する人もおり、ライヴを見ていなくてもスタッフは会場内で何らかの取材はしている。
 昨日は自分のパソコンがほとんど使えなかったため、撮った写真の編集が全く出来ておらず、その処理が溜まってしまっていた。レタッチソフト(私の場合は予算の都合でフリーのソフト)を使い、トリミングしたり、明るさの補正をしたりしていたら次のライヴの時間に。
 今度はオレンジコートでDouble Famous。さっきのギターウルフとの落差が激しいな。この日は昨日と打って変わって快晴で、真夏の陽射しが照りつける中、アコースティックなラテン音楽はひたすら気持ちがいい。
 Double Famousが終わってから、オレンジコート周りをしばらくウロウロ。昨日は雨だったので出来なかった観客へのインタビューを取るためである。フジに来ている客は大抵ノリが良く、ふいに話しかけてもあまり嫌がられることはないし、むしろ喜んでインタビューに応じてくれる人が多いので、やりやすい。まあ、こちらも誰かれ構わず話しかけているのではなく、ある程度話しかけやすそうな人を選んでいるのだが。
 1時間ほどで7名の観客のインタビューを取り、時間切れのためロッジへ戻る。途中通りかかったヘヴンではフィッシュマンズを待っている観客で既にほぼ満員。ああ、仕事で来てなければ絶対に見ているのに。
 後ろ髪を引かれつつ、ロッジに戻るとスタッフに「今朝見た時と色が違う!」とか言われる。都合3時間近く表を歩いていたから、焼けて当然だ。苗場へ行った証拠が出来て良かった。
 ロッジでスタッフ用の弁当で昼ごはん。3日目にしてようやくこの弁当にありついた。賞味期限は午後3時までだったので、1時間以上過ぎていたけど。食後Double Famousのレポを書いてアップ。その他メシネタ(フジメシュラン)と会場内で拾ったネタも2〜3アップしたと思う。観客のインタビューもアップしようとしたが、こちらはブログではなく、元々あったEXPRESSの方にアップすることになっていて、何度かトライしたものの相変わらずサーバーに問題があり、アップできず。入力画面は出てくるのに、そこから先に行けないのだ。
 その内KILLING JOKEのライヴの時間が近づいてきたので、アップロード作業は中断してレッド・マーキーへ移動。もしかしたら入場規制もあり得ると思って、ライヴ開始予定時間の15分ぐらい前に到着したら、前半分も埋まっておらず拍子抜け。歩いてくる途中のグリーン・ステージではRACONTEURS待ちの観客がたくさんいたのに。KILLING JOKEってそんなに人気が無いのか?
 一応演奏が始まったら人が増え始め、ニュー・ウェイヴ世代の中年層だけでなく、結構若い観客も多くて胸を撫で下ろす。しかも演奏に対する反応はすこぶる良く、ジャズ・コールマンも満足げであった。それでも最大で会場の3分の2ぐらいしか埋まらなかったな。朝一のギターウルフより少なかったのは確か。
 その次に同じレッド・マーキーに出る大江慎也も見たかったのだが、レポを書かねばならないので、ホワイト・ロッジへ戻る。KILLING JOKEのレポを書いているうちに、ホワイトではMOGWAIの演奏がスタート。相変わらず腹を下しそうな音だなと思う。
 23時前にはライヴのレポを書き上げ、アップまで完了。借りていたデジカメを返却する時間になったので、残っていたデータを全てパソコンにコピーし、できるところまでレタッチも済ます。予定では23時からホワイト・ロッジの撤収作業に入ることになっていたのだが、スタッフは誰も片付けを開始しようとしない。自分の作業が終わっていないからだろう。ネットと同時進行で作っていた新聞班(今年は初めて現地レポを再構成した新聞も発行することになっていた)など、「まだ全然できてないっすよー」とか言っている。
 そのうち私は次のライヴの時間が迫ってきたので、自分のパソコンと荷物諸々をまとめ、目に付いたゴミだけ片付けて移動。今度は23時50分から苗場食堂でキセルである。この日はフジ開催中で一番歩いた日となった。
 グリーン・ステージ付近まで来たら、ちょうどHAPPY MONDAYSが終わったところらしく、MCの人が挨拶をしていた。「今年は初の試みで、フジロックの新聞が出ます!楽しみにしていてください!」とか言っている。宣伝してくれるのはありがたいが、まだ全然出来てないんですけど。
 恒例になっているジョンの「POWER TO THE PEOPLE」を聴きながら、本部テントへ顔を出す。ここへ来るのは前夜祭の日以来だ。ここへ荷物を置いて、目と鼻の先の苗場食堂へ。ちょうどキセルのライヴが始まるところだった。ところが人が多過ぎて、ステージに近づけない。辛うじてキセルのメンバーは見えるのだが、音がまるで聴こえてこない。隣のレッド・マーキーからの音の方がずっと大きいのだ。どんな曲を演奏しているのかも分からないので、これでは仕事にならない。
 私の周りにいた客もほとんど演奏は聴こえていなかったはず。0時40分ぐらいにライヴが終わった後、キセルの辻村兄弟は握手攻めに遭っていた。せめてキセルを見た証が欲しかったのではないかな。
 レポートを担当するライヴはこれにて終了。さてこれをどうやって書くかと考えていたら、まだ晩ご飯を食べていないことに気付いたので、すぐ近くのクイーン・シバの行列に並ぶ。こんな時間なのに15分ぐらい並ばないと、メシが買えないのだからフジがいかに大勢の観客を動員しているかが分かる。三色もち豚丼というのを買い、ちょうど苗場食堂でトリのザ・たこさんの演奏が始まったので、それを見ながら食す。コテコテの関西バンドで、JBのマネなどをやっていた。それはともかく、トリなのにキセルの10分の1も客がいないのは寂しかったな。今書いていて気付いたが、3日間苗場にいて、レポを担当した以外の出演者は湯川潮音ストリング・チーズ・インシデントと、このザ・たこさんしか見ていないのか。しかもこの3組に関してはいずれもチラ見である。例年ならチラ見を入れれば1日10組ぐらい見てるのだがなあ。
 ホワイト・ロッジは既に撤収作業中のはずなので、そこへは行かず、本部テントで上手い具合に空いていてくれた共用パソコン(私のパソコンは恐らく接続しても立ち上がらないので)を使って、キセルのレポを書く。音が聴こえなかったのだから、それなりに書くしかなく、30分で仕上げ、2時前にはアップ。これで担当したライヴのレポは全て完了。それ以外のネタはまだいくつか残っていたし、特に観客へのインタビューは全くアップできていなかったが、これは東京へ帰ってからの作業とさせてもらう。少なくとも私が書いたものに関しては、ブログに載せる記事は8/2までに全てアップが完了している。しかしこれを書いている現在(8/3)、本来のEXPRESSに載せるはずだった、観客へのインタビュー(PEOPLE INTERVIEW)は未だサーバーに問題があり、アップできていない。インタビューさせてもらった皆さんには、この場を借りてお詫びしたい。現在EXPRESSはサーバーの移転をするための作業中で、来週中には新たに契約するサーバー上で公開される予定。その際、今ブログの方に載っている記事も全て移して、EXPRESSの完全版として完成させることになっている。大変申し訳ありませんが、インタビューに関してはもうしばらくお待ちください。
 さて、苗場でやるべきライターの仕事は終わったが、まだ帰れるわけではない。本部テントの撤収作業があるのだ。こちらは2時から撤収を開始。パソコンからゴミから、あらゆる荷物をまとめ、ワゴン車に乗せて搬出。今までこんな深夜に力仕事をした記憶は無い。諸々終わったのは4時半ごろ。すっかり夜も明けていた。
 帰り際、レッド・マーキーからはまだ音がガンガン流れていた(多分ベズのDJセット)ので、覗いて見たら、累々と続く死体(寝てる人)の群れの向こうで数百人の客がピョンピョンと飛び跳ねて踊っていた。どこまで体力があるんだ、こいつらは。
 40に手が届こうかという私にはそんな体力があるはずもなく、フラフラと歩いて宿まで帰る。到着は5時過ぎ。ありがたいことに宿ではこの時間でも風呂に入れるので、さっさと入り、寝たのは6時ぐらいか?


【7/31】
 起床9時(笑)。同宿の人がチェックアウトするというので、宿代を精算(したはず)。関西組の見送りはしていない(と思う)。この辺は意識が朦朧としていたので、よく覚えていない。そういえば28日の朝に東京から来た2人は、私が起きた時には既に出発しており、同じ宿だったのに結局一度も会わず終いだ。
 朝食の締め切り時間の9時半までには食堂へ行き、28日の朝以来の宿の朝ご飯。これでやっと目が覚めた。
 この時点で宿に残っていたのは恵比寿さん、オグラさん、私のおっさん3人組。チェックアウトし、とりあえずの目的地は越後湯沢駅だが、シャトルバスは1時間以上並ばないと乗れないだろうと思われるので、オグラさんの提案でタクシーを呼ぶことに。割り勘ならそれ程大した額にはならないし。苗場でタクシーを呼ぶには、越後湯沢から来てもらわないといけないようで、電話を掛けてから40〜50分はかかるとのことで、その間はおっさん3人で「フジロックに出そうもないアーティストしりとり」で時間を潰す。何とも知的な時間の過ごし方である。最初の方は「プリンセス・プリンセス」→「スガシカオ」とか普通に出そうもないアーティストでしりとりになっていたのだが、そのうちネタに困るとミュージシャンではない人や、勝手に作ったバンド名まで動員してしりとりにしていた。中でも恵比寿さんが出した「三波豊カーズ(みなみとよかーず)」というカーズのコピーバンドは最高だったな。
 しりとりはタクシーが到着してからも続け、運転手さんの沈黙など気にも留めず、3人でバカみたいに盛り上がったまま越後湯沢駅に到着。オグラさん(タクシー代を多めに負担してくれてありがとう)はそのまま新幹線で帰るというので、ここでお別れ。恵比寿さんと私は駅前の焼肉屋、さかえやへ移動。ここでフジの打ち上げをして帰るのがここ5年ぐらいの恒例行事なのだ。mixiに専用コミュもあるので、興味がある方は「さかえや」で検索してみて。
 専用コミュがある割には、毎年私と恵比寿さんの2人で打ち上げをしていることが多い。しかし、客の大半はフジロック帰りの人たちなので、隣合ったテーブルの人とフジの話で盛り上がったりするから楽しいのだ。今年は一期一会の見ず知らずの人たちではなく、恵比寿さんの友人のRさんとそのグループ一行4名が途中合流し、なおさら楽しい打ち上げになった。
 私もRさんとは以前DJイベントで一度お会いしたことがあったのだが、ちゃんとお話したのは初めて。同行の皆さんも共通の知人がいるなど、意外なところで繋がりがあることが判明したり、特にSさんという女性はこの日記を以前から読んでくださっていたことがひょんなことから分かり、書いている本人が私だと知って大層驚いていた。私だって、ここを読んでいる人が目の前に現れるとは思っていなかったから驚いたぞ。世間は狭いものだ。
 昼間から焼肉を喰らい、ジョッキをあおって、ランチタイム終了の2時過ぎまで宴会。その後はRさんの車に同乗させてもらい、川越まで連れて行ってもらってそこで解散。ガス代と高速代を割り勘したら一人頭1300円ぐらいで済んでしまい、大助かり。川越からの電車代は掛かったが、それでも新幹線を使った場合の半額以下で帰ることができた。
 川越から埼京線、新宿から京王線と乗り継ぎ、午後8時ごろ帰宅。座れるように各駅停車を使い、道中はさすがに爆睡。座った途端に寝ていたと思う。それでも乗り越しせずに帰ってこれた私は、自分を褒めたい。