誰が呼ぶ声に答えるものか/望む気持ちと裏腹

k_turner2006-04-04



コールドプレイ、昨年世界で1番売れたアルバムに
 国際レコード産業連盟(IFPI)が発表した、昨年世界で最も売れたアルバムのトップ10。

1.コールドプレイ『X&Y』(830万枚)
2.マライア・キャリー『The Emacipation Of Mimi』(770万枚)
3.50セント『The Massacre』(750万枚)
4.ブラック・アイド・ピーズ『Monkey Business』(680万枚)
5.グリーン・デイ『American Idiot』(640万枚)
6.マドンナ『Confessions On A Dance Floor』(630万枚)
7.ケリー・クラークソン『Breakaway』(610万枚)
8.エミネム『Curtain Call』(550万枚)
9.ジェームス・ブラント『Back To Bedlam』(550万枚)
10.ロビー・ウィリアムス『Intensive Care』(540万枚)

 この10タイトルの内、私が買ったアルバムは1枚もありませ〜ん。浮世離れしている証拠でもあろう。一応コールドプレイはセカンドなら買った(後ですぐ売った)し、ブラック・アイド・ピーズも聴いてみたいという興味はあるものの、そこまで回す予算はなかなか。
 それにしても順位はともかく、各アルバムの売上枚数を見ると、CDって本当に売れていないのだなと思わざるを得ない。この売上げにダウンロードによる販売数は加算されているのかどうかは不明だが、仮にディスクの売上枚数のみだとしても少ない。B'zのベスト盤が500万枚売れたり、宇多田ヒカルのデビュー・アルバムが700万枚売れたのは、それほど昔のことではないはずだと調べてみたら、B'zは98年、宇多田は99年だった。案外昔のことだな。あの頃の売上げが現在も持続していたら、世界で最も売れたアルバムのランキング上位にB'zや宇多田が入っていることになる。言うまでもないことだが、彼らの場合売上げのほとんどは日本国内で、一部東アジアの売上げが加わるだけだ。世界中にマーケットを持つ英語圏のアーティストの音楽が、今では1年で最大800万そこそこしか売れないということは、現在の世界の音楽市場が7〜8年前の日本1国の規模にまで縮小しているということになる。乱暴に言えば。
 ではこの7〜8年の間に音楽産業を取り巻く環境に起きた最大の変化とは何かと言えば、やっぱりこの話になる。
レコード業界、P2Pユーザーに対し2000件の訴訟
 同じくIFPIがファイル交換ユーザーを相手取り、10カ国で約2000件の訴訟を起こしたそう。
 P2Pによって著作権法に触れる音楽ファイルの交換が行なわれていることは事実だろう。ただし本当にそれによって音楽ソフトの売上げが落ちたのかは今までにも散々議論され、結局結論は出ていない。IFPIは抑止力効果を狙って訴訟を起こしているのかもしれないけれど、技術が普及してしまった以上いたちごっこからは逃れられないだろう。訴訟に掛かる費用や労力をもっと別のことに使う方が建設的だと私は思うが。