THE DIG No.44発売中

k_turner2006-03-30



 毎度お世話になっているシンコーミュージックの季刊誌『THE DIG』が発売になりました。ニルヴァーナザ・フーキンクスの特集を柱に、今回も盛りだくさんの内容です。
 今回私はキンクスの特集の中で、”キンクス・チューンに見る「英国風景」”という記事を書かせてもらいました。レイ・デイヴィスが曲を通して描く英国とは何かを、11曲のキンクス・ナンバー(レイのソロ曲含む)を手がかりに検証するというものです。最初編集部からこの原稿の依頼を受けた時は、英語が堪能でもない、ましてやイギリスへ行った事もない私にそんな内容の記事を依頼するとはDIGって何とチャレンジャーなのだろうと思いましたが、実際に取り掛かってみると大変面白いものでした。キンクスの全曲の歌詞をチェックした上で曲を選び、英国の歴史、文化、社会情勢に関する書物や、観光ガイドの類まで何冊かを紐解きながら、具体的に何をどう歌っていたのかを検証する作業は、時間が足りない中だったので中々大変ではあったのですが、楽しんでできました。一連の作業を通じて改めて発見したこともいくつかあり、レイ・デイヴィスが最も英国らしいソングライターと言われる所以は浮き彫りにできたかと思います。こうした部分に特化してキンクスの曲を取り上げた日本語の記事は意外に少なく、私が調べた範囲ではレコード・コレクターズ誌の1988年11月号キンクス特集掲載の「歌に織り込まれたイギリスの生活感覚」と題されたピーター・バラカン氏の談話記事だけでした。それに匹敵する内容になっているかどうかは、お読みになった上で判断していただければ幸いです。