これはもう、あれかもしれんね。



CCC、新星堂の筆頭株主に・販売で業務提携も
新星堂がTSUTAYAのフランチャイズに加盟−日本最大のCD/DVD販売チェーンが誕生
新星堂がTSUTAYA傘下へ
 今まで黙っていたが、いや、単に話す機会がなかっただけのことだが、実は私は元新星堂社員である。6年間働いた後、会社の将来性を見限って辞めたので、こういう日が来ることは予想できなかったわけではないものの、実際にニュースを聞くとさすがに寂しいものを感じる。私が退社したのは1996年の3月21日。ちょうど10年前のことだ。
 私ごときに見限られるような会社だったので、この10年間の新星堂はジリ貧の日々だったようだ。7〜8年ぐらい前から大胆なリストラを断続的に行い、かつての先輩社員や同期の社員たちも随分と辞めていったと風の噂に聞く。それでも経営の悪化は食い止めることができず、この1月に発表された2月期の連結最終損益によると、「12億1000万円の赤字(前期は2300万円の黒字)」であり、「40店の閉鎖」、「5期ぶりの無配転落」と悪い材料だらけだ。音楽ソフト販売なんて業態でこの規模の企業がいくつも存在すること自体無理を感じるし、J-POPのミリオンセラーに依存しなければ利益が出ない産業構造にも問題があると思う。当然ネットの普及にも太刀打ちできなかったのだろう。
 すみやも昨年GEOの傘下に入ったし、音楽ソフトの小売専門店が、レンタルとの複合店に吸収されている現実を見る限り、専門店としての存続がいかに困難であるかを物語っているようだ。アメリカでは既に音楽ソフト販売の業界トップだったタワーレコードが経営破綻していて、CDやDVDの販売はウォルマートなどのスーパーがその主力となっている。あちらは日本のような再販制度が無いこともあって、それこそ野菜でも売るような感覚でCDやDVDが売られているというのだから、日本はまだましなのかもしれない。
 音楽ソフト販売という業態が消えることは無いと思うが、今から10年先には数を稼げる一部のタイトル以外は、コストのかからないダウンロード販売が主流に変わっているだろうな。アナログの中古レコードに至っては完全に骨董品同様の取引になっているんじゃないか。