金太 マカオに着く

k_turner2006-03-23



つボイノリオの迷作『ジョーズ −ヘタ−』が遂にCD化
 HMVの通販サイトより。昨年から続いているELECレコード復刻シリーズの一環として、遂にこんなアルバムまで発売されてしまう。これはもう、ヤホワ13枚組に匹敵する快挙と言えよう。しかも意味もなく紙ジャケである(笑)。
 日本のコミック・ソング、ノベルティ・ソング界という小さな世界では巨匠と呼ぶに相応しいつボイノリオの、オリジナル・アルバムとしては唯一の作品。全11曲中、放送禁止になった曲が何と4曲も含まれていることで知られ、発売直後にエレックが倒産してしまったこともあり、幻のアルバムとなってしまい、中古市場では高値で取引されていた。オリジナルのエレック盤の廃盤後、CBSソニーユピテルでも再発されたことがあったが、CD化は今回が初めて。
 ノベルティ・ソングの宿命として、ギャグとなるポイントが時の経過と共にずれていってしまうので、現代人の耳にインパクトを与えるものかどうかは怪しいところだ。しかし立川談志天海祐希ら、絶賛の声が今なお止まない不朽の名曲「金太の大冒険」を筆頭に、そのアンサー・ソングである「極め付け!!お万の方」「吉田松陰物語」などは日本語で歌われる必然性を持った音楽であることに注目したい。ボブ・ディランなど歌詞に重点を置いた欧米の音楽を聴く度に、「英語が堪能だったら…」と思う日本人は少なくないと思うが、そういう意味において、つボイで笑い転げることができるのは日本人の特権である。日本語が分からない人間にこの面白さが分かるわけはないのだ。つボイを聴いて、日本に生まれた喜びを噛みしめようではないか。