不良中年のメロディー



 この1週間余り、珍しく原稿仕事に忙殺されていた。と言ってもTHE DIGとbeatlegの締め切りがバッティングしていただけのことで、あくまでも私としてはたくさんの記事を書いたに過ぎない。どちらも今月末には店頭に並ぶはずなので、見かけたら一度手にとってご覧ください。
 あ、それから楽しみにしている方もいるかもしれない(頼むからいて欲しい)ので、お断りしておくと、3月中の発売を目標にしていた『Elvis Costello File』は諸般の都合で発売延期になっています。現在のところ発売日は未定。6月の来日に間に合うかどうかも微妙な情勢。
 執筆関係はようやく一段落着いたので、今日は久しぶりにのんびりと過ごす。溜まっていた日記を書いたり、近所の本屋へ出かけたり。
 レコードコレクターズの4月号が出ていたので購入。読んでいたら、2003年に発売されたレココレ増刊の「ローリング・ストーンズCDガイド」の改訂版が発売されたことを知る。それは別に良いのだが、笑ったのは表紙の写真。昨年発売された『Rarities 1971〜2003』のジャケットと同じ写真が使われているのだが、ジャケット写真には写っていなかったビル・ワイマンの姿があるのだ。
 
 左が新しい「ストーンズCDガイド」、右が『Rarities 1971〜2003』。『Rarities 1971〜2003』が発売された時、ビル・ワイマンはキースの右側あたりに立っていて、トリミングされたのだとばかり思っていたが、本当はキースの後ろにいたのだ。それが編集で消されてしまっていたのだな。
 当然のこと、『Rarities 1971〜2003』にはビル・ワイマン在籍時の音源も多数含まれている。にもかかわらずジャケットではいなかったことにされてしまっているのだ。ストーンズってケチだなあ。
 そういえばストーンズはもう日本に到着しているらしいですね。リハーサルや打ち合わせはあるにしろ、公演日より1週間近く前に来日するのは異例の早さではないかと。もう歳だから時差ぼけなど直すための期間が必要なのかね。聞くところによると、札幌公演はまだアリーナに残席があるそうだ(*注:19日午前1時現在、ぴあで検索してみたところ確かに札幌公演はアリーナDブロックが買える。それどころかGC席もまだ売れ残っている!!)。この分では恐らく世界で最も集客の悪い公演になるだろう。爺さんたちがその入り具合で真面目に演奏してくれるのか心配だ。


NHKスペシャル「復興への行進〜音楽の街・ハリケーンから半年」

 去年8月、ハリケーンカトリーナ」で壊滅的な被害を受けたアメリカ南部のニューオーリンズ。50万人もの市民が街を追われ、今も大部分の地域で復興の目処が立っていない。特に人口の3分の2を占める貧しい黒人達は、住まいや仕事を奪われたまま厳しい避難生活を続けている。
 ジャズ発祥の地として知られる音楽の街・ニューオーリンズを底辺で支えてきたのが黒人の子供達が通う地域の学校のブラスバンドだった。毎年2月末にニューオーリンズで開かれるアメリカ最大の祭り「マルディグラ」では、ブラスバンドがパレードの先頭に立ってきた。しかし、学校の再建は進んでおらず、バンドのメンバーも離れ離れになったままだ。
 被災から半年が経ち、被災者を支えてきた支援政策が打ち切られはじめた中、復興から取り残されようとしている黒人達。
 マルディグラでの復活を目指すある黒人高校ブラスバンドの物語を通して、ハリケーンが露呈したアメリカ社会に根強く残る「人種問題」「格差」といった歪を浮き彫りにすると共に、苦境を乗り越えようとする黒人達の姿を描く。

 放送は19日午後9時〜。これは私のための備忘録でもある。見逃すわけにはいかない。