Helpless, helpless, helpless

k_turner2006-01-07



年金未納なら医療費は全額自己負担に、厚労省が検討
 読売新聞の記事より。年金を払わない人は、病気になっても病院へ行けないよということらしい。年金保険料の未納対策を練るのは結構だが、
未納者を減らしたい
  ↓
ペナルティを与えれば払うんじゃないか
  ↓
国保を取り上げるか!
  ↓
(゚д゚)ウマー
 というあまりにも短絡的な発想が素晴らし過ぎる。こういう脳みそがツルツルの役人には、そもそも何故年金未納者が減らないのかという根本原因など見えていないのだろう。年老いた時に受け取れないことが分かっていながら、乏しい収入から保険料を払う気になる人などいるはずがないではないか。ましてやむしり取るようにして取られた保険料が、湯水のごとく無駄遣いされているのだから尚更だ。
 まあ、この記事にもあるけれど年金保険料の徴収は社会保険庁国保は市町村が担当しているから、他人の領域に立ち入ることを極端に嫌う役人がいくら検討しても、まともな制度が出来上がるとは到底思えないけどね。
 一方同じようなタイミングで、毎日新聞にはこんな記事が載った。
縦並び社会・格差の現場から:患者になれない
 「縦並び社会・格差の現場から」というのは、年明けから(間違い。昨年暮れから)連載している特集のタイトル。この記事は3日に掲載された分。他の記事も興味深い。
 自治体から取り上げられるまでもなく、所得格差の広がった現在の日本では、国民健康保険料が払えない人が少なくない。所謂負け組は万一の時にも医療が受けられず、じっと死を待つ以外に無いというのだ。これが世界第2位の経済大国の現実なのだから、豊かな暮らしを目指して労働に勤しんだはずの日本人が得た結果に、暗澹たる気持ちになる。
 年金にしろ健康保険にしろ、役人は「負担の公平性」を盾に徴収を促すが、払う側は公平なサービスを受けている、或いは将来的に受けられるとは思っていないし、所得格差が拡大する世の中では、たとえ払う意志があっても払えない人は今後も増えるだろう。
 役人や行政に対して文句をブー垂れるのは簡単だ。しかしそれで何も解決しないことも分かっているし、解決を期待するだけ空しい。現実を見据えてどうすれば良いかを考えると、国など当てにするなという結論しか出てこないように思う。年金も、健康保険料も払わない、或いは払えないのだとしたら、老後に備えて若いうちから資産を蓄え、簡単に病気にならないように体を鍛えておくしかないだろう。冗談ではなく。
 「改革」の名の下に、弱者切捨てと破綻まっしぐらの財政政策を断行した小泉を、負け組予備軍であるフリーターや派遣労働者が支持したのだから、その責任は自分で負わないと。フリーターや派遣で働いていても蓄えなんてできやしないだろうが。