想像しよう、たまんねえ

想像しよう



 週末になると小まめに更新されるTot-Channelから、今週も更新のお知らせが届いたので、新着ビデオを鑑賞していたら、無性にワタナベマモルのCDが聴きたくなった。
 私が唯一所有している『想像しよう』という97年に出た、8曲入りのアルバムは大変な傑作であると、数年ぶりに聴いて認識を新たにした。特にタイトル曲はジョン・レノンポール・マッカートニー以外の人物が書いたレノン&マッカートニーソングの最高峰である。この曲がオリコン、並びにビルボードで1位を獲得できなかったのは、ひとえに営業サイドの責任であろう。
 Tot-Channelにアップされている各種ビデオでも確認できるように、いなせな演奏を今も続けているワタナベマモルというミュージシャンが、商業的な意味で影響力を持ち合わせていない現代の音楽シーンの狭量さには、今さらながら暗澹たる気分になる。売れれば良いってもんではないことも分かっているけどさ。
 しかしある程度は売り上げに結びつかなければ、ミュージシャンだって霞を食って生きているのではないのだから、様々な局面でモチベーションが低下してしまうことだってあるだろう。具体的にワタナベマモルがどのくらい稼いでいるかなんて、詮索するのは大きなお世話だろうが。グレート・リッチーズの頃から20年近く、良く言えば大きな浮き沈みも無く、現在まで演奏し続けてきた原動力を思う時、背後に脈打つ音楽への無垢な信仰のようなものについて、見えないふりをするのは間違っている気がするのである。
 下は2000年7月13日、下北沢Club Queで行なわれた、ワタナベマモル&The Daviesのライヴにて撮影したもの。Daviesはこのライヴをもって解散することが発表されており、これは残さねばなるまいと、カメラを抱えて駆けつけた記憶がある。その前にも、この後にもワタナベマモルのライヴは何度も見ているが、何故か写真を撮ったのはこの時だけだ。



 32曲を演奏したという伝説のライヴだ。マモル本人によるレポートがココにある。そうだ、この時はギョガンレンズとスクービードゥーが前座だったんだよな。今思えば豪華なライヴだった。
 あまり良い写真が残っていなかったけれど、おまけでギョガンとスクービードゥーも。