プレーオフより日本シリーズの方がつまらないのはどうかと思うでござる

live august



ローザ・ルクセンブルグのラジオ出演音源
 mixi内ローザのコミュニティより。セカンドアルバム『ROSA LUXEMBURG Ⅱ』発売直後の1987年2月14日に放送された、NHK-FM「ニュー・サウンズ・スペシャル」のエアチェック音源が、下記URLにて聴ける。

 スタジオライヴとメンバー全員のインタビューで、元はカセットと思われるため、音質はそれなりで、ノイズも多い。ただしあまりにも貴重な内容には思わず目頭が熱くなる。当たり前だけど、皆若い。いつまで公開されているか分からないので、お早めに。
 ローザに関して、私は全く遅れてきたファンで、これが放送された頃はまだ名前を知っている程度の存在だった。従って、当時はこの番組を聴いていない。初めて衝撃を受けたのはこの3〜4ヶ月後のことで、ミニ・アルバム『STAY BUT EAT』が出るか出ないかの辺り。既に解散が決まった後だった。日本語で歌われるロックとしては、あまりにもファンキーなアンサンブルと、斬新かつアヴァンギャルドな言語感覚に、一気にのめり込んだ。
 同年8月に行なわれた解散ライヴは、知った時にはチケットが売り切れていたと思う。そうでなかったとしても、地方在住の大学生としてはおいそれと駆けつけることもできず、当日は4畳半の下宿で悶々としつつ、ローザのレコードを聴いていた記憶がある。あれから18年も経ったのか。
 番組の中ではパーソナリティ(高橋基子か?)が「初めて聞く人もいると思うので」とプロフィールを読み上げ、メンバーが自己紹介をするところから始まっている。そうだよなー、結局ローザはカルトなバンドのまま終わってしまったのだ。ラスト・ライヴはエッグマンだったのだし。ローザ解散後、すぐにバンドブームが到来。その時流に乗ったボ・ガンボスはレコード・デビュー前にして中野サンプラザ2デイズを満員にし、ファースト・アルバムはオリコンでトップ10に入った。今考えても、ボ・ガンボスの勢いが凄かったというよりも、ローザがあまりにも不遇だったと思う。
 番組中、パーソナリティーは「ファーストの時と比べてどうですか?」と出たばかりのセカンドとの比較を引き出そうとしている。しかしメンバーは「やりたいことをやっただけ」「売れようと思った」程度の認識で、明確な違いを語らない(語れない)ため、パーソナリティーを困惑させている。今思えば、彼ら、特にどんとにこんな質問をする方がおかしいと思う。番組的にはインタビューを成立させ、新譜のプロモーションにもつながる意味で、避けては通れない定番のクエスチョンであったろうことも、インタビュアーとしての経験を持つ者としてはよく分かるけれど。ローザにしても、ボ・ガンボスにしても、自己の中に批評性を持たず、奔放であり続けたことが大きな魅力だった。ファーストとセカンドの違いを言葉に置き換えて、自分でベラベラ喋るようなバンドだったら、私はのめり込むことはなかっただろう。そんなことは批評家に任せておけばよいのだ。
 ローザのラスト・ライヴがDVD化された。今アマゾンから届くのを待っているところだが、見たらきっと泣いてしまうだろうなー。