傑作



 購入後数日放置し、今日やっと聴いたPsychagogoのセカンドが想像以上にツボ。いいぞぉこれは。近日中に感想まとめます。
Winnyで売り上げ下がらず? 研究成果発表

 調査はオリコン売り上げ上位30枚のアルバムとWinnyのダウンロード数をプロット。CDの売り上げが増えるほど、ダウンロード数も増えるという関係がわかった。これはダウンロードで売り上げが増えるわけでなく、人気があるからダウンロードが増えると推定される。
 このため、ダウンロード数が売り上げに及ぼす効果を操作変数法を使って分離した。ダウンロード数の係数が有意に負になっていれば、CD売り上げ減少になっているが、推定値は0.879であり、両者の関係は見出せなかったという。
 また、学生500人にアンケート調査を行い、1年に買うCD枚数を調査したところ、Winnyを使用前と使用後でも購入枚数に差がなかった。田中助教授は、「オリジナルがほしい人はコピーの有無にかかわらず購入し、コピーを利用する人はコピーを禁止されても購入するわけではない。両者の需要が違うため、影響はないのではないか」と分析した。
 さらに、歴史的にみて、ビデオが出たときに映画産業から反発がでたり、レコードが出たときに音楽家がボイコットをしたと述べ、現在は著作権保護に重きが置かれ、適切な水準になっていないとした。そして、今後携帯電話がiPodのような音楽ダウンロード、視聴端末になるためにも著作権保護の適切な水準が必要であるとまとめた。

 同様の研究結果はアメリカでは既に報告されていたはず。国内では私が知る限り初めてだと思う。途中の「ダウンロード数が売り上げに及ぼす効果を操作変数法を使って分離した」云々の行は数学に弱い私には何のことだかよくわからないが(笑)、要するにWinnyが直接CDの売り上げ減少の要因に結びつくことが証明できなかったということだ。
 「違法ダウンロードが横行しているから」「若者のお小遣いが携帯に消えるようになったから」なんてバカの一つ覚えみたいに言って被害者であることを前面に打ち出し、打開策を提示しないうちに衰退しまったのが音楽業界である。一方同じエンターテイメント産業でありながら、映画業界は去年、一昨年と連続して興収記録を塗り替えている。映画だって違法コピーによって打撃は受けているはずだし、ユーザーは携帯を持っているだろうにね。コンテンツの出来と、それに見合った価格で提供されているかの差だろう。今のご時世、CD1枚3,000円を安いと思う人がどれだけいるのかってことよ。
日本人はなぜオタクとなり得たか
 日本人のルーツがモンゴロイドであることに着目し、人類進化の過程において精神的、肉体的に若い(幼い)ままに成熟する種となったモンゴロイドの特徴が、いい大人になっても子どもが喜ぶようなものに熱中できるオタクの特性と一致するとの見解。また現代の日本社会が経済的に豊かであり、他人の干渉を受けないままにある程度の収入を維持できる社会状況と、物や情報の流通が活発であることがオタクを生みやすい環境を整えたとしている。
 多少強引さを感じないわけではないものの、辻褄は合っていると思う。特にモンゴロイドをルーツとする点からの考察、文中ではネオテニー(幼形成熟)という言葉に置き換えているが、にはなるほどと。自分を含めてだけれども、確かに日本人はいい歳して何やってんだと思うことは多い。数少ない欧米人の知り合いと話していても、自分より若いのに、或いは年嵩であっても自分と同じ歳のころの話を聞かされて、こんなに立派なのかと驚くことがある。それと関係があるのか、肉体的な衰えも彼らの方が早いように思える。特に外見的な部分は。
 昨日のここで触れたグレン・マトロックの話も、そう考えると自然なことなのかもしれない。既に50近い、子どももいるグレンにとっては若き日のセックスピストルズであった頃の言動(と言っても問題があったのはジョニー・ロットンやスティーヴ・ジョーンズなのだが)はとりあえず置いておいて、今現在の立場からの発言なのだ。それにしてもギャップがあり過ぎるから笑えるのも事実ではある。
 こうした傾向が人類としての起源に関わる特徴であるのなら、どちらが良いとも悪いとも言えない。それが自分の姿なのだと現実として受け止めるしかないだろう。自分に無いものに憧れるのは自然であって、結婚して子どもをもうけて、仕事のキャリアを積んで、着実にステップアップしていくアメリカ人を見ると人生の密度が違うことが羨ましいなとは思うけど。
トラッシュキャン・シナトラズ 6年ぶりの来日公演が決定。
 ええっ、あれからもう6年!?
アラニス・モリセット『ジャグド・リトル・ピル』の10周年記念盤登場!
 ええええっ、あれからもう10年!?
 いずれもこれらのニュースを見た第一声。いかに自分が成長していないかを思い知る。