本業であるところの私の仕事というのは、会社の不良債権を調査し、しかるべき処理をすることである。具体的に言うとセクション内の担当者が調査した結果をまとめた書類をチェックしたり、調査結果を受けてその後の処理方法を判断したりする。作成する書類は私のところを通った後は社長決裁を受けて保管したり、裁判所に提出したり、国税局の監査対象になったりと、とにかくミスを犯すとその後の影響が大きいので、書類作成には細心の注意が必要だったりする。
 そんな固い仕事でありながら、セクション内の調査担当に実にいい加減な男がいる。彼が作成した報告書類をチェックすると、ほぼ毎回ミスが見つかり、その度にやり直しをさせるのだが、度重なるやり直しに嫌気が差したのか、今日こんなことを言い出した。
「今度から○○さん(私のこと)のチェック無しに決裁に回せるようにしてもらえませんかねえ。今はチェックしてもらえるから気が緩んでミスが多くなると思うんですよ。気持ちを引き締めて仕事するためにもチェックしないでもらえませんか」
 ……あのなぁ、現在与えられた仕事がまともにできない奴により責任の重い仕事が任せられる訳がないだろう。問題はお前の気持ちの持ち方ではなくて能力にあることが分からないのか。
 お陰で30分ばかり説教をするはめに。そんな彼は既に30歳を越えた派遣社員。しかも妻までいる身なのだから恐れ入る。あんまりびっくりしたから日記のネタにしてやったぞ。こういう想像を絶することを考えている人と仕事をしている自分は何なんだろうと分からなくなる時がある。まあ、彼も自分より年上の私が下北のライヴハウスで飛び跳ねてるところなど想像したこともないと思うが。


うんざりした気持ちを引きずりながら、会社帰りにまた新宿タワーへ。昨日の日記にも書いたイアン・デューリーの2枚組の『New Boots & Panties 』を購入。200円引きのクーポンチケットを使って2,300円(税込)だった。
 実は時間が無くて今日はまだ聴いていないのだが、ボーナスディスクに収録の17テイクのデモヴァージョンは、76年のキルバーン&ザ・ハイ・ロウズ解散後、1年近くに亘ってチャズ・ジャンケルらと録り貯めたものだ。キルバーンズはパブシーンでは高い評価を受けながらレコード会社の倒産など不幸が重なり成功を収められないまま終わってしまった。その後バンドを持たずに取り組んだデモセッションなのだから、当時34歳だったデューリーにとっては背水の陣で挑んだはず。満を持して発表した『New Boots & Panties 』は全英チャート最高5位、トータルで90週間もチャートに留まる大ヒットアルバムとなった。その名作の元となった原石たちであるから、聴き所はわんさとあるだろう。


 昨日の日記でルースターズのボックスセットが店頭では売られていなかったと書いたが、今日行ったらちゃんと並んでいた。ただし現物は陳列されておらず、普通のCDのプラケースがダミーとして置いてあり「このケースをレジまでお持ちください」と書いてあった。5万円ものボックスセットを購入するのに、使い古されたプラケースを持って行くというのがクールだと思った。


アベフトシ現場復帰か!?(ネタ元:ドアを開ける俺。)
 ミッシェル解散から早1年が経とうとしているが、メンバーの中で唯一解散後の動向が不明だったアベフトシが、元スネイルランプのAKIOのソロユニットに関わっている模様。今回はゲスト参加のようだが、これを足がかりにミュージシャン活動を再開するのだろうか。あまりにも記名性の強いギターを弾くために、かえってつぶしのきかない人で、セッション活動には限界がありそうだし、かと言ってソロアルバムを作るようなタイプでもなし。残る選択肢は新バンドの結成か。ただあのギターに拮抗できるメンバーや音楽性を想定すると、ベストの選択はミッシェルになるんだよなあ。