終業後渋谷へ。beatleg編集部の奢りで映画「永遠のモータウン」。立ち見まで出る盛況にびっくり。先日も書いた通りこの映画は池袋でもレイトショーで上映中だが、これだけの入りはとても想像できない。
映画に関しては次号beatlegの特集内容にも関係あるため、ここでは多くは語れない。極めてミーハーな感想を述べさせてもらえば、ミッシェル・ンデゲオチェロ最高!惚れ直したぜ。
終映後居酒屋へ移動。beatlegのライター、関係者ら9名での飲み会となった。こうした会が催されたのは私が知る限り初めてで、誌上で名前は存じ上げていても初めて会う人ばかりである。編集長ですら4年前に一度お会いしたきりだったのだ。
beatleg自体がアウトローな雑誌であることもあって、一癖もふた癖もある人たちばかりが集まって、はずむ話は多岐にわたる。当然のことながらその中のひとつには輸入権に関する事も含まれており、あるライターの方から聞いた「iPodが音楽業界の救世主のように言われているのは大いなる誤解である」という話は興味深かった。何万曲ダウンロードできるとか、アメリカでは1曲99セントで落とせるとか、いいことずくめのように喧伝されているが、アップルは一定期間(確か半年単位?)で曲の権利を買取り、iTunes music storeで配信している。アップルにとっては権利を持っている期間にダウンロードされるのが0回であろうと、何百万回であろうと関係なく、消費者のハードに対する購買意欲を刺激するための材料でありさえすれば良いのだとか。通常曲の使用料をオンエア1回に対していくらという形で得る著作権者にとっては、アップルの売り方は本来得られるべき利益を損なう可能性が大きく、このスタイルが定着することは脅威であると。しかもアップルの販売戦略はアメリカの産業振興に寄与するという観点から米政府がバックアップしているという説があり、日本での輸入権創設をRIAAが積極的に賛同した背景にはこの件が無関係ではないだろうという話まで出た。
いずれにしろ現段階では仮説の域を出ていない話ではあるが、いかにもありそうな話でもあって、音楽のネット配信にまつわる著作権のあり方を考えさせられた。私個人はネット配信の可能性は認めるし、現状のパッケージ販売のスタイルに限界も感じているのだが、こういう話を聞くと音楽がどんどん価値の低いものになっていく危惧も感じなくはない。
まあ、硬い話ばかりではなくヲタ自慢みたいな話ももちろんあったと付け加えておく。濃い面子だったため、つい時間を過ごしてしまい帰宅は0時過ぎ。