悲しいニュースをふたつ。
STUDIO ONEの創設者、コクソン・ドッド死去
元ネタはSOUL LABO DIARYkusano930さん
ZEレーベルを代表するアーティスト、リジー・メルシエ・デスクルー死去

コクソン・ドッド氏の功績は私が語るまでもないでしょう。スカやルーツ・レゲエの面白さを発見する上でSTUDIO ONEの数々のレコードが私に与えた影響力は凄まじいものがある。そういう意味で彼には感謝の気持ちでいっぱいだ。
ジーの訃報は4〜5日前には伝わっていたが、報告できていなかった。死因など調べたのけど詳細不明。まだ40代だったはずだが…。去年リイシューされたファーストとセカンドは発売後すぐ購入して、しばらく我が家のヒットチャートの上位を独占していた。同時発売のアナログも買って、51君の披露宴パーティーでDJをやった時にトム・トム・クラブと繋げて「ミッション・インポシブル」をかけたりもした。ユニークな音楽家としてこれからも活動してほしかったのに。
お二人のご冥福を心よりお祈りします。


輸入権創設を阻止するために何ができるのか、それを考えて導きだされる答えはやっぱり世論を盛り上げることだろうなと。そういう意味で先日のロフトプラスワンでのシンポジウムは有意義であった。あれ以降ネット上ではまたこの問題について取り沙汰されることが多くなったという事実がある。加えてネット以外のメディアもここに来て関心を寄せ始めたようだ。「テレビ見ようよ!」内特設ページにてそれらの動向はまとめられているので参照されたし。J-WAVEの15minutesのページなどはリスナーの具体的な反応も読めます。
私は去年から言っている通り、輸入権創設には賛成できないし、できることなら国会通過を阻止したいと思っていることには変わりない。世論の盛り上がりのきざしが見え始めたところで水を差すようなことを言うべきではないのも分かるのだが、ひとつ気になっていることがある。それは法案が可決成立後、具体的にどのような変化が起きるのか誰にも分からないということだ。最悪の事態を想定すれば、輸入盤はほとんど国内に入荷せず、高くてCCCDの国内盤しか市場に出回らないことになり、密かに輸入盤を仕入れた者は見つかり次第逮捕され刑事罰を受けることになる。あくまで最悪の事態として。
ただ現実的に考えると、先日判明したRIAAパブリックコメントが意図しているのは平行輸入を規制したいということであって、直輸入盤まで日本で売るつもりはないということではなさそうだという見方がある。昨日も書いた通り、メーカー直卸しの輸入盤しか入ってこなければ安い並行輸入盤との競合の必要が無く、国内盤と同程度か下手すると高い値付けをされて売られる可能性はもちろんある。でも高いというだけで全く買えないということではないのだ。となると、この法案阻止のモチベーションは「高いCDしか買えないのは困る」ということなのか?
私個人は貧乏人であって、ただでさえ音楽関係のエンゲル係数は高いので、今より高いCD、レコードしか買えないことになれば非常に困る。しかしブランド品が直営代理店でしか買えない品があるように、CDも同じ流通構造にシフトするだけの話だとしたら、「著作権法改正反対!」を唱えたところで一般社会においては「もっと稼いで買えるようになればいいじゃないか、この貧乏人!」と言われるのが関の山のような気もする。
とはいえ、最悪の事態が起きる可能性が残っている以上、輸入権創設には反対の立場であることには変わりないのだが、これが社会一般から見ればごく少数派の音楽フリークの意見に過ぎないのだとしたら世論を動かすのは難しいだろうなとも思う。実際職場では誰も関心を持っていないことも以前書いた通りだ。
今日の話は私自身がまだ整理しきれていないと感じながら書いたことでもあるし、事実を誤認している可能性もある。間違いがあれば指摘していただければ幸い。