◇輸入CD販売会社からの返答が来た !!
何のことかわからない人はまず昨日の日記を読んでいただきたい。今日返答を送ってきたのはタワーレコードHMV。率直に言って「本当に送ってくるとは思わなかった」し、「予想以上に対応が早い」と思った。ただし肝心の内容は以下の通りだ。まず到着順にタワーレコードから。

棚橋 憲治 様

平素、格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。

 さて、お問合せ頂きました輸入権に件についてはその成立の可否
含め、未だその詳細が不確定でありますので、コメントできる状況
にないと存じます。また、この件に関しましては、日本レコード協会
等にお問い合わせいただいた方が適切かと存じます。

今後ともご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

タワーレコード株式会社
カスタマーサポート
 XX XX(担当者名)

一読しての感想は「何だこりゃ?」である。昨日送ったアンケートの項目を読んでいただければわかる通り、私が尋ねているのは改正著作権「法案」に対する流通の立場からの見解である。この文面から判断する限り、その意図は全く理解してないようだ。客の問い合わせの内容を理解できないような人がカスタマーサポートという部門を担当していて大丈夫なのだろうか。
おまけに「この件に関しましては、日本レコード協会等にお問い合わせいただいた方が適切かと存じます。」とはどういう意味か。改正著作権法案ならびに輸入権の創設に関して日本レコード協会がどういう見解を示しているかは、改めて問い合わせるまでもない。そもそもかの法案を通そうとやっきになっているのは日本レコード協会会長であり、エイベックスの社長でもある依田巽である。この件について少し調べればそんなことはすぐに分かるのだ。その証拠はここや、ここや、ここにある。にも関わらずこの言い草はどうだろう。まさか日本レコード協会の見解が即ちタワーレコードの見解だとでも?
こちらが要求した内容を完全に無視したようなちぐはぐな返答を送ってくるところを見ると、この件に関して問い合わせがあった場合のために用意した定型文をそのまま送ってきた可能性もある。これがタワーレコードのカスタマーサポートの実態なのか?客をバカにするのもいい加減にしていただきたい。こんな対応をされて「今後ともご愛顧」などできるはずがない。消費行動とはそういうものだ。


続いてHMVから。こちらも原文をそのまま引用したいところだが、残念ながらそれはできない。HMV営業部カスタマーサービス担当者から届いたメールには、HP上での公開を控えてほしい旨の記述があったからだ。こちらから送ったメールには公開させていただくことをあらかじめ断っているが、それはこちらの勝手な要求である。それには応じられないとの返答であれば、公開を差し控えざるを得ない。
内容としてはこちらが送った項目に対する直接の回答ではないし、公式な見解ではないとの断りもあったとだけ書いておこう。ただしタワーレコードとは対照的に、問い合わせに対して極力真摯に答えようとする姿勢と、デリケートな問題だけに歯切れの悪い答えになってしまうことへの心苦しさが伝わる文面であった。期待した内容ではなかったものの、不躾な問い合わせに対する応対としては納得できるものではあったので、HMV側の要請も尊重して、具体的内容は公開しないでおく。


今のところ4社中2社からの返答のみ、しかも1社は公開できない状態では結論を急ぐことはできない。流通の立場から輸入権創設をどう考えているかについて、私の予想は昨日書いた通りだが、今のところそれを覆す材料は見つからない。つまるところ不利益を被るのは消費者だけなのか。残り2社の担当者の方、ご回答お待ちしております。


そうこうしているうちに、改正著作権法案の参院での審議がいよいよ始まるようだ。15日に文教科学委員会での質疑が開かれ、参考人として件の依田巽が出席するとの情報もある。質疑内容は参議院インターネット審議中継のページでストリーミングがある。平日の午前のことなので、それが見られる人は少ないだろうが、その日の夜からビデオライブラリのページで2ヶ月間は視聴できる。