何故か知らぬが無性にFOUR SEASONSが聴きたくなる。聴きたくなったのはいいが、私はFOUR SEASONSの音源はレコードもCDも持っていない。10代のころにFOUR SEASONSの特集番組をエアチェックしたテープは持っていたので代表的なヒット曲はほぼ知っているが、今になってちゃんと聴いてみたい欲求が押さえられない。昔のテープはどこにあるのか分からないので、探す気にもなれない。ということで会社が引けてから新宿南口のHMVへ。
真っ先に「F」のコーナーまで来てがっかり。ベスト盤の1枚ぐらいは当たり前にあるだろうと思っていたのに、何と在庫はゼロ。FOUR SEASONSぐらい置いておこうよ。
ここのHMVに足を踏み入れるのは実に久しぶりで、折角だから他に何か面白そうなブツは無いものかと物色してみて気づいたが、こりゃひどいわ。売れ筋の新譜と割引セール用のステッカーが貼ってあるありきたりの定番アルバム以外はまるで置いていない。アーティスト別の名前が入った仕切り板も在庫が無いために板だけで固まっているところがたくさんあって、什器は空いているスペースの方が多くてスカスカだ。これだけの売り場面積を持つCDショップなら他の店で見つけられないアルバムを探しに来る客だってたくさんいるだろうが、この在庫を見たら無駄足だったことに気づき、ショックのあまりその場で泣き崩れてしまうかもしれない。あまつさえ帰る頃には怒りに震え、会う人会う人にHMVの悪評判を触れ回っていてもおかしくない。現に私がその気分だったからだ。
CDが売れないという話はここ数年ずっと言われていることだし、Amazonを始めとするオンラインショップが一般化してからは小売店の立場はますます苦しいものになってきているのだろう。対抗策としては在庫の回転率を上げ、同時に人員を減らして収益を確保していくしかないのも理解できる。そのためには確実に売れる新譜と所謂名盤と呼ばれる定番商品しか置けなくなるのも道理だし、商品知識は無くても検品や品出し、レジ打ち程度ならできる人件費の安い人だけ配置しておく方針に改めるのも当然。だけどさあ、ここは日本でも屈指の売り場面積を持つCDショップだよ。それにしてはあまりにお粗末な品揃えではないか?この在庫なら売り場は3分の1のスペースで充分。大型店である必要は全く無い。
手ぶらで帰るのも寂しかったので、ちょうど発売になったばかりの佐野元春『Visitors』20周年エディションを購入。こんなのはここまで来なくても郊外の商店街にある20坪ぐらいのショップでも買えるんだけどね。