ワタナベマモル@名古屋御器所なんや



 引越し後初、そして2012年一発目のライヴはワタナベマモルさんの弾き語りライヴだった。マモさんの弾き語りライヴを見るのは、去年の5月以来だから久しぶりだ。
 会場の「なんや」は地下鉄の御器所駅から徒歩5分ぐらいの閑静な場所にある居酒屋。2階の座敷で月に数回ライヴのイベントを開いているようだ。マモさんも年に一度の割で出演していると言っていた。
 7時半ごろに到着して、飲み食いしながら開演を待つ。8時を回った辺りから、地元名古屋の人と思われる前座2組が演奏。15人ほど座れば一杯になってしまう、こじんまりとしたスペースは、マモさんが登場するころにはキャパをオーヴァーするすし詰め状態だった。
 とはいえ、動員は20人程度だったのだが。この動員でも全力で歌い、演奏するのがワタナベマモルのワタナベマモルたるところだ。弾き語りであろうとあくまでロックンロールにこだわるのもこの人ならでは。「行くぞ〜〜、ロックンロール賛歌!」のシャウトからライヴはスタート。曲の内容はもちろんのこと、ギターのカッティングのバリエーションからコードの選び方から、ロックンロールに対する豊富な知識と経験に裏付けられた、これぞロックンロールとしか呼びようの無い小宇宙が座敷に現出する。



 しょぼいコンデジで撮ったこんな写真しか無くてスミマセン。
 「ロックンロール賛歌」「ヒコーキもしくは青春時代」「野球場へ行こう」「キャデラック4号」「オイラの部屋へおいでよ」などライヴでの定番曲は抜群の客受けで、リピーターが多いらしくコール&レスポンスもばっちり決まる。個人的には「二人で歩いた」「どけよ」が久しぶりに聴けたのも嬉しかった。さらに「いつも同じのをやっていると(自分が)飽きるので」と新曲も披露。「明日荒川へ行って夕日を見よう(とか言うタイトルの長い曲)」と「自転車」の2曲がそれで、それぞれ初めて聴いたがいずれも叙情的な味わいがあって良かった。
 これも定番の「今週週末来週世紀末」で「♪わーいわーいわーーい」と盛り上がって本編終了後、ほとんど間髪を置かずにアンコールに突入。「時速4kmの旅」「森へ行こう」など3曲を歌い切った後は、観客の方もヘトヘトだった。演奏時間は1時間半に及ぶかという長丁場ながら、あっという間のライヴだった。弾き語りとは思えない密度とドライヴ感はさすが。ロックンロールに忠誠を誓うマモさんにとってはいつものことなのだろうが。たったひとりでバンド並みのグルーヴをここまで叩き出す人を、私は他に知らない。
 終演が11時近く、終電が出てしまう15分ほど前だったのでマモさんとは余り話もできなかったが、4月には山川のりを氏と一緒にまた名古屋へ来ると言っていた。その頃には私が少し制作でお手伝いした新しいDVDも発売できるだろうとのことで、併せて楽しみである。