see go ROCK #08@高円寺U.F.O. Club



 みぞれ混じりの雨が降る中、高円寺まで。開演の19時半を少し回った頃に到着してビックリ。フロアへ入る扉を開けたところまで溢れるほどの人で超満員。よく考えたら3連休の中日。そして夜のストレンジャーズカルガモネンドの2マンイベントなのだから、この入りも納得。後から聞いたら前売りは完売していたそうだ。
 開演に遅刻してしまったので、ステージでは既にオープニング・アクトのHigh Timesが演奏していた。キャロルのようなオーソドックスなR&Rを奏でるトリオ。紛れもなく関西出身であることをアピールするMCのコテコテぶりはやや閉口したが、音はシンプルで憎めない。盛況の会場の熱気も手伝って、フロアの一番後ろからでも退屈することなく楽しめた。
 続くカルガモネンドの前に観客の移動が起きたので、前方へ移動。持参した一眼レフをセッティングしようとバッグから取り出そうとして、一瞬固まる。カメラがじっとりと濡れていたのだ。気温2℃の屋外から、Tシャツでも平気なこのハコに入ったために、結露が起きてしまった。
 この季節はこれがあることを忘れていた。ボディやレンズの表面は拭き取ることができたが、レンズ内の玉まで曇ってしまって、ファインダーを覗いても何も見えない。困ったなーと思っている内にカルガモの演奏が始まってしまった。
 前回このバンドを見たのは、ドラムが交代して割りとすぐだったと記憶する。1年半ぐらい前だったか。腕の良いドラムを見つけたもんだと思っていたが、時間が経ったことでさらにパワー・アップ。GS風の歌メロを強調したスタイルを基本としながら、プログレまがいの難度の高い演奏が涼しい顔で繰り出される。分かりやすく言うと、テンプターズの曲をテンペストが演奏しているような…。全然分かりやすくないな。ギターのムロもベースのDAIも、元々達者なミュージシャンなので、タイトにビシビシと決まる演奏がすこぶるカッコイイ。
 加えてコミック・バンドすれすれのステージ・アクションと、今時関西芸人でも着ないような衣装の派手さ。視覚的な面白みもあるので、これは是非撮影したかった。大変なペースでライヴをこなしているだけあって、ステージ運びも堂に入ったもの。1時間程度の持ち時間があっという間だった。
 カルガモの演奏中もレンズの様子を何度もチェックしていたが、結局結露は解消せず。夜ストのセットチェンジの間に、ダメ元でレンズの後ろ側からブロワーで何度も風を送っていたら、あら不思議。少しずつではあるが中のレンズが透明になってきた。夜ストの演奏がスタートすると同時に、結露はほぼ解消された。
 こうなればこっちのものよ。ファインダーを覗き1曲目の「Down On The Road」を演奏するバンドをカメラに収める。


 12月のワンマン・ライヴ以来の夜ストだったので、演奏内容に特段変化こそ無いものの、グルーヴィーな演奏は何度聴いても素晴らしい。カルガモネンドとはタイプが異なるけれど、夜ストもやはりトリオとしてのツボを心得たアンサンブルを聴かせてくれる。この日はヨーホー側に陣取っていたためベースがよく聴こえ、ロッキン・ソウルなベース・ラインが堪能できたのも楽しかった。


 セットリストは別掲の通り。このところのライヴの王道を行くような選曲で、やはり1時間ほどの演奏は瞬く間に終わってしまった。「テレサ」「ソウル・バーニング・ラヴ」「ブギ・ウギ・カントリー・ボーイ」なんてまだレコーディングされていない曲なのに、前方にいた観客は皆歌っていたことも驚いた。夜ストを支えにして生きているようなファンを見ると、こちらまで嬉しくなる。私もそのひとりだから。



 この日はミウラさんの声の調子が良く、シャウトが決まっていた。後半は叫ぶ曲が続いたけれど、喉がつぶれる様子もなく、最後まで叫び通した。アンコールの2曲はもちろん最高に楽しかったのだが、この分ならもう少し続けてくれても良いじゃないかと思ったのが正直なところ。この「もう少し聴きたい」と思わせる終わり方がプロだ。またライヴが見たくなるではないか。

 夜のストレンジャーズ 2011年2月12日 U.F.O. Club セットリスト
1.Down On The Road
2.Boogaloo Joe
3.トラブルボーイズ
4.ブギ大臣 Part2
5.プライベートな話をしよう
6.テレサ
7.ソウル・バーニング・ラヴ
8.連れていってよ
9.泥の川
10.ギブソン
11.(I Set My) Soul On Fire
12.ブギウギ・カントリー・ボーイ
13.ファクトリーガール
14.最終バス
15.I Woke Up Crying
16.サムクックで踊ろう
17.ソウルフリーター
18.ヤング&ヒッピー
 〜encore〜
19.自由
20.Big Fat Saturday Night

 何気に「自由」の遭遇率が高いな。夜ストは滅多にカヴァーをやらないのに。
 会場で配られた「月刊夜のストレンジャーズ」の第2号も無事ゲット。前号に続き、今回も充実の内容。無料で配布して大丈夫なのだろうかと思うほど、予算がかかっていることも分かる。ライヴ会場へ来ないと読めないのではもったいないくらいだ。配布が終了したら、オフィシャル・サイト上で読めるようにしてもらえないかな。