夜のストレンジャーズ『トラブルボーイズツアーファイナル!』@下北沢Club Que



 私にとっては7ヶ月ぶりの夜ストワンマン。この間にも夜ストのライヴは何度も見ているけれど、ワンマンはまた格別に楽しい。演奏時間30〜40分程度のイベント出演の時には聴けないような曲をバンバンやってくれるからだ。
 絶妙に絡み合うアンサンブルをバックに、ミウラさんが時に激しく吠え、時に哀感たっぷりに囁く。ブルースやソウルを消化した日本語のロックバンドとして、唯一無比の魅力を持っている。もうね、こんなサウンドなら一晩中でも聴いていたい。
 昨年10月に発売された5枚目のアルバム『トラブルボーイズ』をサポートするツアーの千秋楽ということになっていたのだが、年がら年中ツアーを行っている夜ストにとってはこれもひとつの通過点。レコーディング前の新曲もお構いなしに披露し、現在の夜ストの姿を余すところなく伝えるものだった。以前にも書いたことがあるが、新曲はどれもこれも本当に良い曲ばかりだ。途中のMCで7月からレコーディングに入り、早ければ年内に次のアルバムを出したいと言っていた。今から楽しみで仕方がない。
 「最終バス」「Down On The Road」「ファクトリー・ガール」「サム・クックで踊ろう」「ジェリー・リー」「Young And Hippie」「ガールフレンド」がその新曲。この日が初演となった「ガールフレンド」はロマンチックなバラードで、RCサクセションの「僕の自転車のうしろに乗りなよ」へのアンサーソングともとれる一節があった。ミウラさんが清志郎の信奉者であるのは周知の事実であって、あながち的外れでもないだろう。
 Queに詰め掛けた観客は、そんな夜ストの良き理解者であり、どうしようもない呑んだくればかりで、大層ノリがよろしい。ほとんどの曲でシンガロングが起こり、嬉しそうに跳んだり跳ねたりしている。これは演奏している方もたまらないだろうな。
 久しぶりに演奏した「この熱き愛」で、ミウラさんが歌詞を忘れてしまったり、第2部の最初のところでY田さんが感電?したのか、演奏が止まりかけたりと、少々のトラブルはあったものの、瑣末なことと受け流せるほど楽しい時間だった。2時間ほどの長丁場でありながら、あっという間に終わってしまった。2回目のアンコールは予定外で、「自由やって!」とリクエストしたら、本当にやってくれた。「金はそこそこあるぜ 俺の発泡酒は止まらねえ」と歌詞を変えて歌ったのが素晴らしい。自分の身の丈に合った曲しかやらない夜ストの本質が現れていた。だからこそ私は彼らを信用できるし、心底楽しめるのだと思う。

【第1部】
1.(I Set My) Soul On Fire
2.(I'm Happy)Highway Travelin' Man
3.夜汽車のシャララ
4.最終バス
5.Lady Bird
6.Fly Me To The(Liquor Store On The)Moon
7.ブラインドミウストレンジャー's ブルース
8.ブラインドミウストレンジャー's ブギ
9.B.M.R.B(ブラインドミウストレンジャー's リズム&ブルース)
10.道化の華
11.WALKIN' BY MYSELF
12.連れていってよ
13.Down On The Road
14.ファクトリー・ガール
15.おやすみ恋人よ
16.Going Back Home
17.サム・クックで踊ろう(踊り明かそう?)
18.ギブソン


【第2部】
1.Mr. BoogieWoogie Man
2.Boogaloo Joe
3.Lil' Christina
4.Gimme Gimme
5.ジェリー・リー
6.プライベートな話をしよう
7.バスタブブルース
8.水晶の夜
9.泥の川
10.この熱き愛
11.I Woke Up Crying
12.Drunk Or Die
13.TWIST FOR DROP OUT
14.Young And Hippie
15.トラブルボーイズ


【Encore1】
1.ブギ大臣 Part2
2.Love Dog
3.ガールフレンド
4.Big Fat Saturday Night


【Encore2】
1.自由

 第1部と第2部はいただいたセットリストから転載。アンコールはセットリストに書かれていなかったので、間違っている可能性があることをお断りしておきます。