Amazing Journey

k_turner2008-12-12



 渋谷のシアターNで先月から公開されているザ・フードキュメンタリー映画、『Amazing Journey』をやっと見ることができた。公開から3週間ほど経っているし、平日の昼間とあって館内はガラガラ。観客は20人足らずだったのではないかな。お陰でベストポジションの座席を楽々確保。
 これから見る人のためにネタバレ的なことは極力控えておくが、ええっ、こんな映像があったの!?と言いたくなるような、貴重なシーンが次々と映し出されるのは圧巻と言う他ない。ハイ・ナンバーズ時代のライヴ映像や、ライヴ・アット・リーズの映像が残っているとは思わなかった。編集や演出も凝っており、見応え充分。やはりファンならば必見であることは間違いないだろう。
 フーのドキュメンタリー映画と言えば、燦然と輝く傑作『The Kids Are Alright』が存在し、どうしても比較せざるを得ない。『The Kids Are Alright』をビデオ、DVDで50回は見ている者として言わせてもらえば、『Amazing Journey』は伝記映画として『The Kids Are Alright』をはるかに凌ぐ完成度だが、何度も見たくなるのはどちらかとなると、やはり『The Kids Are Alright』かなと思う。
 『Amazing Journey』は正統派のオーラル・ヒストリーもので、丁寧に作られているとは思う。『The Kids Are Alright』では不十分だったフーの歴史に関する情報は十二分に補われている。しかしいかんせん演奏シーンが短すぎるのだ。ロック界屈指のライヴバンドであったフーの雄姿を楽しむのであれば、『The Kids Are Alright』に軍配が上がる。
 『Amazing Journey』のDVDが発売されたらやはり買ってしまうだろうけれど、『The Kids Are Alright』の価値は全く色褪せない。私が自宅で楽しむ機会が多いのは、これからも『The Kids Are Alright』の方だろう。
 『Amazing Journey』に先駆けてシアターNで公開中の『Live At Kilburn』もまだ見ていなかった。『Amazing Journey』ともども、上映は19日までなので何とかして見に行かねば。そういえば『社員荒井と』ももう始まってるんだよなあ。全く忙しいぜ。