Saturday Night at the Movies

　このところ何やかやと忙しない日々を送っている。クタクタになるまで働いて帰ってきて、明日はやっと休日だという夜、最近のささやかな楽しみはレンタルのDVD鑑賞である。先日は『アパートの鍵貸します』を見た。
　それにしても私はこの歳になるまで、こんなに有名な映画を見ていなかったのかと我ながら呆れた。メチャクチャ面白いじゃねーか。特に脚本は完璧。良質な古典落語のような完成度の高さにしびれた。50年近く前に作られた映画ではあるが、人間の営みなんて本質的には変わらないのだな。
　あまりにも面白かったので、一度見終わった直後に、もう一度初めから全編を見てしまった。こんな見方をしたのは『アニー・ホール』以来かなあ。
　映画と言えば、今月は何度も劇場へ足を運ばねばならなくなりそうで忙しいぞ。もはや音楽映画の殿堂と呼んで良い渋谷のシアターNではザ・フーの『ライヴ･アット・キルバーン』を上映中。来日前の景気付けに見ておきたい。同館ではフーの来日後、22日から『アメイジング・ジャーニー』も上映される。
　他にも70年代前半の日本のロック黎明期にスポットを当てたドキュメンタリー、『ロック誕生　The Movement70's』や、ガレージ・ファンからあまねく愛されるラット・フィンクの作者であるエド・ロスの伝記映画『ラット・フィンク〜ボクのビッグ・ダディ〜』も見ておきたい。久しぶりにシアターNへ通う日々になりそうだ。
　また先月渋谷で上映している時には結局見に行けなかった『ルー・リード/ベルリン』が、吉祥寺のバウスシアターで上映されているので、今度こそ見に行かなければ。あの映画館は爆音上映を売り物にしているので、サウンド面でも楽しみ。