『Momofuku』をmp3で聴いた



 先日アナログ盤先行で発売されたエルヴィス・コステロの新作『Momofuku』には、mp3版をダウンロードできるコードが記載されたカードが封入されている。ダウンロードが可能となるのは5/1からだったので、今日早速落としてみた。
 本日の日本時間で昼前、カードに記載のダウンロードサイト(www.MomofukuDownload.com)へアクセスしてみると「DOWNLOAD CODES WILL BE REDEEMABLE ON MAY 1ST.PLEASE KEEP LISTENING TO YOUR VINYL UNTIL THEN.(ダウンロードのコードは5/1から使えます。それまではお持ちのレコードで聴いてください)」と表示されていた。コードを入力するためのボックスは出ていたが、時差の関係でまだ使えないのかなと思い、その場はあきらめた。
 午後10時ごろになってもう一度アクセスしてみたが、表示は全く同じ。さすがにおかしいと思い、手持ちのカードに記載されていたコードを入力してみたら、あっさりとダウンロードできてしまった。何だ、これなら昼前の時点でもダウンロードできたのかもしれない。
 なお封入のカードには「Offer good in US only」と書いてあるが、アメリカ以外からでもダウンロードは可能。ダウンロードサイトにも「Despite the message on the card,you will be able to download Momofuku from outside the US」と注意書きがあった。


 落としたファイルをiTunesに読み込んで聴いてみたが、やっぱりmp3は音が悪いわ。アナログ盤では既に5〜6回聴いた作品であり、ある程度耳に馴染んでいたので、一聴してすぐにそれに気がついた。音に奥行きが無く、全体にのっぺりしているから、どうしても安っぽく聴こえてしまう。特に低音域の迫力の無さは致命的。落としたファイルのプロパティを開いてみたら、ビットレートは192kbpsだった。う〜む、せめてもう少しこれを上げていてくれていたら違ったのかも…。
 私がパソコンで音楽を聴くときに使っているスピーカーは大変ショボい(それ故40年代、50年代のジャズやブルースは却って味のある鳴り方をしてくれるのだが)ため、CDに焼いたものをコンポで聴いてみた。これでアナログ盤を聴く時とアンプ、スピーカーは同一条件になる。しかしそれでも音の差は歴然。念のため同じ曲をアナログと聴き比べてみたが、エルヴィスの歌声の艶、ピートのドラムの生々しさ、全体的なサウンドの広がり具合、いずれもがアナログ盤の圧勝だった。
 正直なところ、実際に聴き比べてみるまでこれ程の差があるとは思わなかった。アナログ再生環境のある人は、絶対にアナログで聴いた方が良い。エルヴィスのファンでレコードプレーヤーを持っていない人は、これを機に購入しても良いのではないかな。私が使っているのは購入価格で2万円もしないDENONの安いプレーヤーだ。これでも音の違いがはっきりするのだから。
 今時アナログ盤の先行発売などという敢えて時代錯誤なことを実行したエルヴィスの意図が分かった気がする。こんなリリース形態ではセールスなどまるで期待できないと思うが、mp3の劣等性を身をもって示したかったのだろう。

Momofuku [12 inch Analog]

Momofuku [12 inch Analog]