The Slits x ADRIAN SHERWOOD@渋谷O-EAST



 明日も朝早くから仕事なので、ひとことだけ。
 アリ・アップのパンク魂は未だ健在だった。パンクに殺られるとはこういうことなのかと、10代で1976年のロンドンに吹き荒れたパンクの洗礼を受けるということは、永遠に抜けない楔を打ち込まれたようなものなのだと思った。
 私なんてピストルズもクラッシュも見たことがないからなあ。ラモーンズだって88年の東京で見ただけだし、テレヴィジョンに至っては91年の東京で見た始末。まるでお話にならない。ラモーンズにしろ、テレヴィジョンにしろ、あれだけのバンドなのでそれなりの感動はあった。しかし仮に75年のCBGBで彼らを見ていたら、絶対に違う種類の衝撃があったはずだ。
 後追いで知り、しかも異国の地で知識として得たパンク体験者と、リアルタイムでまさにその現場にいた者との絶望的なまでの距離を思い知らされたようなライヴ。元祖ライオット・ガールのスリッツによるパンキー・レゲエは今も刺激的だった。