ROCK’N’SOUL〜NYLON「It’s Alright」レコ発ツアー@高円寺U.F.O. Club



 3月に発売されたNYLONの3rd.アルバムをサポートするレコ発ツアーは、沖縄から徐々に北上し、とうとう東京まで辿り着いた。記念すべきこのイベントは絶対に見逃すわけにはいかない。出勤日ではあったが、定時で上がればほぼ最初から見られるだろうとの読みはあっけなく崩れ、終業間際にやっかいな電話が掛かってきてしまったために、職場を出たのが午後7時40分ぐらい。この時点で予定より1時間以上の遅れ。やっと渋谷まで出たのが8時ぐらいで、山手線に駆け込んだら電車が止まってやんの。何でも線路に人が立ち入ったためとかのアナウンスが。。轢いちゃえばいいのに。
 結局渋谷で20分ほど足止めを喰らって、ようやく運転再開。終戦直後の買出し列車みたいに混雑する電車で新宿へ、その後丸の内線に乗り換えて、東高円寺まで。そこから小走りにU.F.O.へ駆け込んだのは9時近く。ステージではThe Mighty Mogulsが演奏中であった。レコ発だから、NYLONはトリだろうとは思っていたが、それでも間に合わなかったらどうしようとヒヤヒヤした。
 聞けばやはりNYLONはトリで、Mogulsの後にTHE GREAT MONGOOSEも控えていると分かり、胸を撫で下ろす。しかしこの日は他にポーキーズ、THE SHAGWELLSも出演するという豪華面子だったので、全編を見たかったな。
 Mogulsの演奏が聴けたのは5曲ぐらい。その間私はカメラのセッティングと、駆け付けのビールタイムだったため、詳細は覚えておらず。いつも通りに、クレイジーなMogulsの世界が展開されていたように思う。観客はかなり盛り上がっており、いい感じ。

 続いてGREAT MONGOOSE。グレマンのステージも、基本的にはいつも通り。ガレージ好きには申し分ない、正統派の演奏。いつも思うことだが、惜しいのはMCが必要以上におっさん臭いことだ。事実おっさんではあるものの、緊張感のある演奏によって生まれる空気が、MCのせいで一気に加齢臭を帯びる。それもグレマンの味であると解釈しておこう。

 そしてトリのNYLONの登場。約3ヶ月ぶりの東京でのライヴは、新作のタイトル・ナンバー「It's Alright」からスタート。ツアーが始まってから2ヶ月ほど、週に1〜2回はライヴを続けていただけあって、演奏は非常にタイトで、また一皮剥けた印象を受けた。いや〜、バンドって正しく生き物ですね。

 レコ発イベントとあって、当然3rd.の曲が中心のセットリストで、大半の曲を演奏してくれた。「突きぬけロック」は久々だったので、感激。期待していた「メニーリップス」と「ショットガンブルース」は聴けなかったが、まあよかろう。「ショットガンブルース」はライヴでやったことはあるのかな?

 ステージ前にメグからこの日のセットは30分で14曲と聞かされていた。レコ発でしかもトリなのに、それはちょっと物足りないなと思っていたが、実際にはアンコールが2回もあり、時間は予定を大幅にオーバーした。動員は満員には及ばない程度で、少々寂しいものがあったのは事実。しかし少ないながらも観客の反応は上々で、本来予定外のアンコールまで引き出したというわけだ。後半には「あいつに首ったけ」や「ダンダンビート」といった1st.の収録曲も披露し、この日のライヴがスペシャルなものであることを実感した。このライヴが見られなかった人は思いっきり後悔するべきだ。

 シマノの暴れ方はいつも以上に容赦ないもので、最後の方の数曲はステージ上よりフロアにいる時間の方が長かったほどだ。アクションに関してはシマノが最も派手に立ち回るので、どうしても目立つのだが、今回のライヴではシマノ以外のメンバーもそれぞれ引けを取らず、バンドとして一丸となったグルーヴが終始感じられた。それが一皮剥けたなと思わせる所以だ。誰かひとりが突出した印象ではなかったのだ。

 レコ発ツアーは6/10の京都METROで終了する。これだけの演奏をしているのだから、ラストは相当なものになるだろうことが予想される。見に行くことができないのが、残念でならない。


【6/5写真追加】
 毎度お馴染み赤と黒で統一されたUFO Clubですから、写真のクオリティはこんなものです。