bealteg vol.81 発売中

k_turner2007-02-28



 毎度お世話になっているbeatleg誌が発売されました。
 今回の表紙はストラングラーズで、beatlegとしては初のパンク特集です。と言っても読者、及びライターの大半が中高年であるbeatlegですので、あくまで70年代のパンクに限定しての特集になっています。
 ジャン・ジャック・バーネルの最新インタビューを始め、ストラングラーズの主要アルバム解説を軸にした30年の軌跡、クラッシュ(表紙にはCrashと酷い誤植が…)の歴史、そして何故かグレアム・パーカーのライヴ音源解説など。グレアム・パーカーをパンクの範疇に入れてしまうのはかなり無理を感じますが、まあ、グレアムが78年に来日した時は「日本に最初に上陸したパンクロッカー」と言われたことがあるので、大目に見てやってください。当時のメディアがいかにいい加減だったか分かりますね。いや、今もか?
 今回私はそのパンク特集の中で、ロマーンズのインタビューと写真を担当しております。芸歴数十年のベテラン、或いはロック史に名を残した故人ばかり取り上げる雑誌において、アルバムデビューから半年足らず、しかも日本のバンドのインタビュー記事が掲載されるのは異例中の異例です。しかし最初にパンク特集の話を聞かされ、「書きたいことがあれば、何でも」と持ちかけられた時に、私の頭の中には日本の現役バンドしか思い浮かびませんでした。beatlegという雑誌は変わっていて、編集サイドから「こういう記事を書いてくれ」という具体的な依頼はほとんど無く、字数の指定すらありません。一応原稿料を貰って書いている身としては、何が求められているかが分からないと書きようがなく、困惑することもしばしばです。
 今回も特集がパンクであるということ以外何の説明も無く、「何でもいい」としか聞かされていなかったので、本当に勝手にやらせてもらいました。私が今一番パンクだと思っているバンドのことを記事にしてあります。パンクとは音楽形態の呼び名ではないので、パンク「だった」ものにはあまり興味が持てません。雑誌の主旨を逸脱しているのは分かっていましたが、パンクを特集するなら、今現在パンクだと思えるものしか書く気がしなかったのです。
 ということでロマーンズを取り上げました。彼女たちのデビュー作『ロマーンズの激情』は、私個人の2006年年間ベストアルバムの第2位です。ラモーンズを日本語でカヴァーするという明快なコンセプトから判断しても、取材を申し込むのにためらいはありませんでした。インタビューを行なったのは昨年暮れ。その時は知らなかったのですが、実はその少し前に「風とロック」でも取材を行なっており、その模様は1月にリリースされました。「風とロック」ではロマーンズが表紙を飾り、60ページに及ぶ特集が組まれていたので、私が取材した時にそれを知っていれば、少し違う内容の記事になっていたかもしれません。ただ、beatlegに掲載されたのは7ページのそれほど長くはない記事ですが、「風とロック」を含めて今まで目にしたロマーンズのインタビューとしては、最も優れた内容だと自負しています。
 この記事は私がbeatlegで初めて書きたいことを書かせてもらった、記念碑的なものです。今回ばかりは驚くほど安い原稿料にも文句はありません。