Party Party Party@新宿ニュー・ジャパン



 詳細後報。


【11/29追記】
 ハイ、そういう訳で昨日のTot Channel Nightの感想文に引き続いて、こちらも今さら感たっぷりでお届けしますですよ。
 この日も仕事だったのだが、土曜日ということもあってほぼ定時で終業。会場であるグランドキャバレー、ニュージャパンに到着したのは7時ぐらいかな。歌舞伎町の中でもディープなエリアであって、こんなことでもなければ滅多に近寄ることもない場所。キャバクラの客引きをかわしつつ、趣と伝統のある雑居ビルを見つけ、途中で止まるのではないかとハラハラさせるエレベーターで会場に辿り着いた頃、ステージではあられもない姿の踊り子さんたちによるダンスショウが!
 200坪あると言われる店内は、ゴージャスと言うよりはケバケバしい内装。今は営業を停止しているらしいが、昭和の頃はヤバイ商談や男女の駆け引きが、夜な夜な繰り広げられたのだろうなあ。ある意味歴史的建造物である。心なしか、かつて渦巻いたと思われる煩悩の残り香のようなものが感じられる。真っ赤なソファーの向こうでは、ダブルのスーツを着た天知茂がブランデーグラス片手に葉巻をくゆらせていても全く違和感が無い。
 それにしてもよくこんな会場でイベントを開くことができたものだ。出演はガレージ、GS系のバンドばかりで、退廃を極めたこの会場で演奏を繰り広げるにはうってつけの面子ばかり。出演バンドは数多く、開演は午後3時だった。私が足を踏み入れた時には既に宴も絶好調。
 私が見ることができたのは、順にSO WHAT'S、THE VOLUME OUT!、BETWEEN the BUTTONS、THEEE BAT、ザ・マダムキャッツ、The Boulders。これだけ見られて入場料1,000円は、申し訳ないほど安い。観客は多分100人ぐらいはいたけれど、これで利益は出てるのかしら。翌日が休みだったこともあり、私は少しでも売上げに貢献しようとアルコールを飲みまくり。辛うじて撮影はできる程度に抑えておいたけれど、最後の方は記憶が怪しい。
 こういう非日常的な空間に身を置いて冷静でいるのもバカバカしい。同じアホなら…の理論で乱痴気騒ぎに参加するのが正しい作法というものだろう、と自分に言い聞かせる。それぞれのバンドの感想は、思い出せる限り列記しておく。

  • SO WHAT'S


 結成して3ヶ月ぐらいかと思わせる、演奏力って何のこと?とでも言いたげな佇まいが立派。衣装や楽器はそれなりだし、オリジナルのTシャツも作っているらしい。バンドは形から入るものだという心意気が気に入った。

  • THE VOLUME OUT!


 5月ぐらいにUFO CLUBで見た記憶がある。その時も良いバンドだと思ったが、この日はさらにずっと良かった。紙袋を被る演出が、決して過剰に思えないほどにふてぶてしく、奇怪な演奏が◎。「ルイ・ルイ」の改作「フジヤマ」が最高。

  • BETWEEN the BUTTONS


 個人的には大収穫。初期のヤードバーズとかストーンズを引き合いに出したい黒いビート・サウンドに殺られました。パワーだけでなく、洗練さも感じさせるサウンドからは、ブリティッシュ・ガレージの伝統を読み取ることができた。その出で立ちからしてヘッドコーツを標榜していると思われるが、ヘッドコーツより上手いよ。


 このバンドが出演しなかったら、私はこの日この会場にはいなかったかもしれない。残念ながらBLOODY TOMOKOは戦線離脱中だが、バンドとしてはさらに逞しくなった印象。貫禄が出たというか、スケールの大きさが感じられるようになってきた。ステージでの振舞いも、音に対する自信の表れか、以前より大胆になったように思う。MIKA、KUBのそれぞれのキャラクターも鮮明になってきた。

 助っ人ドラマー(S.S.?)の仕事も違和感なく、幾分ヘヴィさが薄れたとはいえ、その分パンク色の強いサウンドに仕上がっていた感があり、これはこれで良かった。


  • ザ・マダムキャッツ

 撮影班でもある私は、THEEE BATが終わったら一仕事終えたような気になり、この辺から記憶が曖昧。この会場で演奏するために存在するようなバンドなのに、よく覚えておらず残念。ただ、昭和歌謡的な曲は意外にも少なめで、ガレージ・バンドであることを強調していたような気もする。

  • The Boulders


 トリのこのバンドが登場したのは11時近くになってからで、長時間に及ぶイベントのクライマックスということで、バンドも観客もすっかりハイになり、まさにPARTY PARTY PARTYの状態。13TH FLOOR ELEVATORSの曲などを取り上げる生粋のガレージで、はっきり言うと演奏も支離滅裂。ショウというよりパーティーであった。ガレージ・バンドってそういうものなのだから、何の問題も無い。楽しい、楽しい。

 最後の方でベーシストがステージ下に突っ込んできた時、私は顔面中央でそれを受け止めてしまった。出血や腫れはないので鼻骨骨折ではないと思うが、あれから4日経つのに今も触れば鼻に痛みがある。まあ、名誉の負傷というところでしょう。ロッケンロー。