GOOD TIMES ROLL@高円寺U.F.O. CLUB



 この日は久しぶりにライヴのハシゴ。UAのアンコールが終わったと同時にダッシュ野音を抜け出し、千代田線と丸の内線を乗り継いで高円寺へ。U.F.O. CLUBで6月以来となるNYLONの都内でのライヴだったのだ。本来ならUAを断念して最初からU.F.O. CLUBへ行っても良かったのだが、4月にもNYLONとUAのライヴがバッティングしたことがあって、その時はNYLONを取ったし、今回はNYLONのライヴの日程が分かる前にUAのチケットを買っていたので、ダブルヘッダーとさせてもらった。この日のNYLONの出演は4番目と聞いていたので、間に合うだろうとの読みもあったし。

  • NYLON

 ということで東高円寺駅から再度走ってU.F.O. CLUBへ駆け込んだのが9時半ぐらい。フロアに入ったら、丁度NYLONが演奏中だった。後で聞いたら、私が到着するほんの少し前に演奏が始まったようで、運良くほぼ全編を見ることができた。

 広々とした野外でUAを聴くのもいいが、狭くて空気が悪い密室で、NYLONの爆音を聴くのも良い。彼らのライヴはもう何度も見ているのに、いつ見てもテンションが上がる。この日はセットリストの大部分を新曲が占めていたにも関わらず、中には随分前から演奏している曲も含まれているせいか、アンサンブルに危ういところは全く無く、貫禄すら感じられる自信たっぷりのパフォーマンスに思わず頬も緩んだ。

 ライヴの出来としても申し分なかったと思う。フロアは残念ながら満員とは言えない状態だったが、その隙間のある空間にシマノがあの形相で何度も突っ込んで来たのが頼もしい。やはりNYLONのライヴはこうでないと。髪を切ったメグのスクリームには好調ぶりが感じられたし、シホとマサオの冷静かつ攻撃的なリズム隊もバッチリであった。私はこのバンドに親心に近い感情を抱いているので、本当に嬉しかった。

 新曲を中心に演奏したのにはちゃんと理由があり、来週いよいよ3rd.アルバムのレコーディングに入るのだそう。曲調は以前のものと比べるとポップになっているし、演奏も充実している今ならなおさら仕上がりが楽しみだ。発売日はまだ決まっていないようだが、順調にいけば来年早々にはリリースされるのではないかな。期待して待つとしよう。


  • THE FACEFUL

 このイベントは5バンドが出演しており、NYLON以外の出演順は不明だったが、トリになるのはDIESEL ANNかBACKDROPS、もしくは主催のHIGH VOXだろうと思っていた。ところが最後にステージに上がったのは全く予期していなかったTHE FACEFULというバンド。しかしこれが思わぬ収穫だった。

 レザーで固めた女性ヴォーカルが、男3名から成るバンドを従えてのガレージ・サウンド。その喧しさと、伝統的なロックンロールのスタイルを踏襲したアンサンブルにMC5を連想した。ヴォーカルの暴れ方も気に入ったし、リズム隊が非常にタイトだったことも好感度大。リズムがしっかりしているバンドは、それだけでファンになってしまう。

 しかしバンド名は最初「FAITHFUL」の間違いではないかと思ったが、「FACEFUL」で正しいそうだ。どういう意味だ?顔ばっかりってこと?
 DIESEL ANNを始め、3バンドも見逃してしまったのは残念という他ないが、このバンドが見られたのは嬉しい誤算。こういうことがあるから、ライヴハウスのイベントは楽しい。東京では日夜こうしたイベントが開かれ、未知の素晴らしいバンドが演奏を行なっているのである。折角東京に住んでいる以上、時間、体力、お金の続く限り追い掛けるしかないだろう。


【9/6写真追加】
 例によって泣きたくなるほど照明が暗いU.F.O. Clubですから、私の持っている機材で撮影できる写真はこの程度が限界です。ここへ来る度に、デジタルへ転向してもいいかなという気分になりますな。誰か私に20万円ぐらい出してみる気はないでしょうか?