VIVA YOUNG! 3DAYS 06@下北沢CLUB Que


  • thee 50's high teens


 10月にケイ(key.)とハニー(g.)の脱退が決まっており、これが現メンバーでの最後の東京ツアーとあって、駆けつけた訳でございます。東京ツアーは3日連続公演で、中日の今日は恒例ビバヤン。ただし対バンはガレージ系のバンドではないので、high teensとしては畑違いのイベントになってしまったようだ。

 彼女達の最大の特徴にして魅力は、昭和を思わせる歌謡曲テイストと、ガレージ・バンドとしての狂気が合体したもので、まるでカルトでB級なGSバンドが墓から出てきたかのようなクレイジーさが痛快。しかしこの日の演奏はそうした部分が充分に発揮されていたとは言えなかった。イベントのカラーに合わせて、ブルージーな曲を中心にしたセットだったことが大きいと思う。
 high teensがそういうことも出来るバンドだというのは発見だったし、昨年初めてライヴを見た時より演奏が上手くなっていたことも嬉しい驚きではあった。ただ彼女らの真骨頂が見られたかというと、やはり疑問である。バカっぽい曲が少なく、真面目に演奏している印象だったので。私の好きな「レッツ・ゴー・ジャン・ジャン」もやってくれなかったし。

 対バンを考えれば無理もない話であって、GS、ガレージ色の強いイベントを望むのなら前日の新宿LOFTか、翌日の高円寺U.F.O. CLUBへ行くべきだったというだけのことだろう。う〜む、行くか?U.F.O. CLUB

 本来のハジケっぷりが見られなかったのは、最後の東京ツアーだということももしかしたら関係あるのかも。前半の演奏が終わったあたりで、MC担当のケイから10月で活動を休止することと、これが最後の東京ツアーであることが、彼女らしく例によってたどたどしく説明されたのだが、その間他の3人が沈痛な表情で俯いているのを見たら、こちらまで切なくなった。極一部の例外を除けば、大抵のロック・バンドは同じメンバーで活動できる期間は短い。普通は3年も続けば大したものだと思う。メンバーの脱退なんて珍しい話ではなく、むしろバンドにとっては必然とも言えるが、どんなバンドであれ、そうした話を聞くのは寂しいものだ。high teensを結成時からずっと知っているわけではなく、現メンバーによるhigh teensしか知らない者から見ても、今の彼女らがいかに充実した良いバンドであるかは理解できるだけに余計にそう思う。

 ライヴ本編は私の採点では出力70%という印象で、完全燃焼とまではいかなかった。その後に予定外のアンコールがあり、そこでの「Shout!」は理想的なhigh teensの演奏で、やっと溜飲が下がる思い。

 今年の1月に金子マリの対バンで見て以来、ライヴを見るのは2回目。今年はフジロックのルーキー・ステージにも出演していたが、それは見ていない。
 1970年代前半の日本のロックという印象は変わらず。演奏そのものは上手いと思うが、20代半ばと思われるその若さで、狂気を感じさせない淡々とした演奏を繰り広げるのにはどうしても違和感が。多分良い人たちなんだろうなという感想しか出てこない。

 ジェームズ・ブラウン直系のレア・グルーヴ・ファンク・バンド。レコードは持っているけど、ライヴは初めて見た。印象はやはりライヴの方が良い。
 ファンクの真髄でもある猥雑さは希薄で、日本人ならではのスクエアな部分がどうしても出てしまうのだが、演奏からステージングまで、JBを神と崇めていることは嫌というほど伝わってくる。ヴォーカル中田のスクリーミングなど、JB本人よりJBらしい。サタデイ・ナイト・ライヴでエディ・マーフィーがやっていたJBのパロディネタを思い出してしまったほどだ。優れたコピー・バンドは本物を超えるという良い例。私もJBは大好きなので、ライヴは大変楽しめた。


【8/28写真追加】
 開演前、主催者に撮影について許可を貰おうとしたら「基本的にNG」と言われてしまいました。50's high teensだけは事前に本人に撮影許可を取り付けていたので、渋々という感じで了承してくれたものの、他のバンドに関しては撮影できず。ということで写真は50's high teensのみです。
 Queってライヴハウスとしてはかなり照明が明るくて、色も綺麗なので、撮りたかったねえ。