FUJI ROCKの作り方



 この表題でエントリーを入れるのは久々だな。気が付けばニュー・アルバムの発売も来週に迫り、プロモーションを兼ねたメディア露出も増える頃だと思われるが、e+が作っているフジロックの連載企画に面白い記事が。
子どもが行っても楽しいんだよね、本当に。

UA:「フジはね、あれだけ規模がデカいのに、あのオーガナイズ、すごいよね。きれいじゃない? どうやってるのかなって思うぐらいちゃんとしてるよね。日本の先駆けとして、ありがたいフェスだったよね。すごく健全というか、みんなお客さんも音楽に誠実な感じの人が多いし、すごい愛がある人が多くて、ちゃんと祭りだ!っていうか。スタッフの態度もナイスで、みんな良いよね。あの環境がそうさせてるんだろうけどね。トンボとか飛んでてさ。だってグリーンのとき、わたしが歌ってると、マイクにトンボが止まったのね。それをすごく覚えてる」

 苗場のあの会場に毎年行っていると、それが当たり前のような気がして、ありがたみを忘れてしまうことがある。冷静になってみれば、奇跡のようにすごいことなんだよな。少なくとも私は他のフェスでUAが言っているような幸福な空気を味わったことはない。ここ何年かはあまりにも有名になって、チケットが完売してしまうほど大勢の客が来るようになったせいか、フェスの理念というものを理解していない人も増えてしまって、初期の頃に感じられたほどの神秘性は薄れているかもしれないけれど、それでもやっぱりフジには特別な何かがある。
 UAにしろ菊地成孔にしろ、準レギュラーとでも言えるほどフジにはよく出演しているし、同様に毎年のように出演しているミュージシャンは少なくない。それが観客の立場から見るとマンネリ化しているようにも取れるので、批判の対象になっているのも知っているが、やはりミュージシャンだって一度あの場所で演奏する快感を知ってしまうと、また出たくなるのではないかな。観客だってミュージシャンからは見られる立場なんだから、「あいつ今年も来てるのか」とか思われてるのだっているかもしれないし。さすがにそれで嫌がられたりはしないだろうが。

UA:「友達と踊ってて、なんか空を見てたの。で、あれはさそり座かな?って友達に言ってたら、そこからビューーーって、指指したところから流れ星が飛んできたのね! たぶんわたしが一番にみつけた。で、みんながだんだん気がついてウォー!ってなって。PHISHってずっと野外でやってるから、そういう自然現象が多いらしくてさ。すごくびっくりした」

 これは99年だな。私も同じ時にヘヴンにいて、そのなが〜〜い流れ星は目撃した。あんなに長く夜空に軌跡を描く流れ星は、後にも先にもあの時しか見たことがない。多分生涯忘れられない奇跡体験だと思う。
 99年と言えば、多分この時のフィッシュの前だったと思うが日没前ぐらいの時間にホワイト・ステージでリー・ペリーを見てホニョリホニョリと踊っていたら、隣にUAが来て同じように踊り出したのでびっくりしたことがある。確か10分か15分でUAはまたどこかへ行っちゃったけど、これは良い思い出であると同時に、ちょっと自慢。考えたらこの時UAと行動範囲は同じだったということだ。
 99年は苗場で開催した最初の年で、この時は確か3日間とも快晴だったはず。何とピーカンの中で雨女UAが歌うという非常に珍しい光景が見られた年でもある。ここ数年は生憎天候には恵まれていないフジだが、今年は久しぶりに晴れて欲しいものだ。雨が降ったら降ったで、また楽しいものでもあることは学習済みなのだが、カッパを着込んでいると誰が誰だか分からなくて、会場で知り合いに全然遭遇しないから、それも寂しい。ウケ狙いのTシャツを着ていても誰も気付かないし(笑)。