ボリスの蜘蛛野郎

k_turner2006-06-28



 世界一好きなベーシスト、ジョン・エントウィッスルの命日。ハリウッドで亡くなったのは2002年の6月27日なので、正確に言うならば昨日が命日ということになるのだが、日本時間では28日だったから、私の中ではどうしても今日が命日のような気がする。4年前の今日、職場で始業前にチェックしたネットのニュースで訃報を知り、その日は一日最悪の気分だったのを覚えている。退社後は今は亡き赤坂ブリッツエルヴィス・コステロとインポスターズのライヴがあったのだが、会場へ向かう道すがらもジョンのことばかり考えていた。今考えてもつくづく惜しい人を亡くしたものだ。今年は約四半世紀ぶりにザ・フーのニュー・アルバムが発売される運びとなっているが、あまり期待はしていない。せめてジョンが生きていてくれれば…。
ダーティー・ダズン・ブラス・バンドの新作がえらいことに
 いよいよ真打登場とでも言うべき、ニュー・オーリンズ音楽界の重鎮、DDBBのニュー・アルバムは、マーヴィン・ゲイの不朽の名作『What's Going On』のリメイクである。

1. “What’s Going On” featuring Chuck D
2. “What’s Happening Brother” featuring Bettye LaVette
3. “Flyin’ High (In The Friendly Sky)” - instrumental
4. “Save The Children” - instrumental
5. “God Is Love” featuring Ivan Neville
6. “Mercy Mercy Me (The Ecology)” featuring G. Love
7. “Right On” - instrumental
8. “Wholy Holy” - instrumental
9. “Inner City Blues (Make Me Wanna Holler)” featuring Guru

 ご覧のように全曲をオリジナル通りの曲順にてカヴァーしたもので、ゲスト陣の豪華さも目を引く。発売はカトリーナの被災からちょうど1年後となる8月29日に予定されており、当然のこと、ニュー・オーリンズに起きた悲劇的な災害に対する悲しみ、アメリカ政府の対応に対する憤りなどを表明するものだ。現在のニュー・オーリンズが置かれている状況や、被災者でもあるメンバー自身の心情が、35年前の作品と見事に一致することに気付き、リメイクすることにしたのだという。
 これはもう、全てのソウル、ブルース、R&Bのファンにとってマストのアルバムに違いない。売上げの一部はニュー・オーリンズ救済のための団体、「Tipitina's Foundation」に寄付されるそうなので、お金を払って聴かねばならないだろう。