魂売るならブックオフ♪

k_turner2005-11-05



 自宅から徒歩5分ほどのごく近所にブックオフがオープンしたので冷やかしてみた。オープンからまだ1週間ほどだし、土曜の午後だしということで店内はごった返していた。
 店内は100坪ぐらいあるだろうか、結構広く、まず本棚をツラツラと眺めるが、案の定ブックオフらしい品揃えで、読みたい本などまるで見つからないわけだ。
 手ぶらで帰るのも忍びなく、CDの250円コーナーに掘り出し物でもないかと物色することしばし。30分ほどでそこそこの収穫があったので精算し、「今日はこれくらいで勘弁しといたるわ」と帰ってきた。


上段:LIZZY MERCIER DESCLOUX/SUSPENSE THE COLLECTORS/愛ある世界 V.A./LIVE AT THE KNITTING FACTORY vol.5 HOODOO GURUS/MARS NEEDS GUITERS!
下段:AL GREEN/TOKYO…LIVE NICK LOWE/16 ALL-TIME LOWES THE KENTUCKY HEADHUNTERS/PICKIN' ON NASHVILLE THE BEAUTIFUL SOUTH/THE BEST OF BEAUTIFUL SOUTH

 アル・グリーンニック・ロウだけ750円で、残りは全て250円。締めて3,000円。リジー・メルシエ・デクルーとニッティング・ファクトリーのライヴ盤(ロイ・ネイザンソンや梅津和時を収録)はあまり見かけないので嬉しい。しかもこの値段だ。当然のこと買取値段はこれ以下であるはずだ。ブックオフの相場も酷いが、そんな値段で手放す方もおかしい。音楽に対する冒涜である。
 ニック・ロウは同じタイトルのアナログ盤は死ぬほど聴いたのだが、裏ジャケのクレジットを見ると「BASING STREET」が入っていたので「あれっ?」と思い、購入。その代わりアナログ盤には入っていた「HEART OF THE CITY」がCDでは削られているのだ。知らなかった。表のジャケはアナログと同じで、「HEART OF THE CITY」の表記があるのはご愛嬌か。
 フードゥー・グルズも大学生の時にアナログ盤で猿のように聴いたアルバムだ。オーストラリアのガレージ・タイプのロックンロールバンドが残した傑作で、彼らの全作品中でもこれがベストではないかな。こんなに良いものが250円なんて…と複雑な心境で購入。ビューティフル・サウスだって、こんな値段がまかり通るのは日本だけだ。
 ブックオフごときにいちいち目くじらを立てるのも大人気ないが、卑しくも文化を販売しているのであれば、しょうもないタイトルに2250円とか値付けしないで、音楽的価値を見極めた値段を付けてもらいたいものだ。内容とは無関係に、需給バランスだけで評価しているからこうなるのだろう。こんなブックオフに押されて、老舗の古本屋や中古レコード屋の経営が傾くのでは目も当てられない。


 購入したCDを聴きつつ、溜まっていたここ2〜3日のニュースを蔵出し。
ザ・キンクスのレイ・デイヴィス、ソロ作とEPをダブル・リリース
 ソロ名義としては初のオリジナル・アルバムとあるが、『Return To Waterloo』はサントラ盤だからオリジナル作にはカウントされないのかな?まあ、いいや。『Story Teller』もキンクス時代の曲をソロで再演したものだったし、ソロ名義と言わずとも、純粋なオリジナル作品となると『Phobia』以来13年ぶりか!最近のライヴでは新曲もやっているようなので、アルバムにも期待しておこう。
マッドハニーの新作が完成!
 私はサブ・ポップのバンドではニルヴァーナよりマッドハニー派であって、というかゲフィンに移籍して『Never Mind』でブレイクするまでは、サブ・ポップと言えばマッドハニーのレーベルという認識が一般的であったから、『Tomorrow Hit Today』まではアルバムがリリースされる度に買う程度にはファンであった。99年の来日公演の直後に活動休止のアナウンスがあってからは、モンキーレンチが再結成されたりしていたし、てっきり消滅してしまったのだと思っていたら、メンバーチェンジをして復活していたのね。不勉強が恥ずかしい。
洋楽ロック専門サイト【Rockin' Graffiti】
 BIGLOBEが開始した、洋楽ロックの映像配信サービス。月額500円で、ロックのライヴ映像が見放題という触れ込みだが、今のところDEEP PURPLE、GARY MOORE、Ten Years After、The WhoTHIN LIZZYALICE COOPERJudas PriestPaul Weller、UFO、URIAH HEEPの10組だけ。ラインナップはご覧のように、完全にオヤジ向け。しかもこれ、市販されている映像ではないのか?音楽DVDのレンタルはあまり普及していないし、レンタル代だと思えば500円はそれほど高くないかもしれないが、もう少しコンテンツを充実させてくれないと、登録する気にはなれないなあ。
Patti Smith『Horses 30th anniversary edition』発売記念イベント
 ただしニューヨークのタワーレコードでの話。いよいよ今月8日に発売される『ホーセズ30周年記念盤』のプロモーションで、11/8、午後7時よりインストア・イベントが開催される模様。↓これがそのポスター。

 当日はパティ・スミスのみならず、レニー・ケイ、J.D.ドーワティ、トニー・シャナハンの、現パティ・スミス・バンドのメンバーも出演し、アコースティック・ライヴとトーク・ショウ、サイン会も開かれるようだ。ウラヤマシス。
 せめて当日の同じ頃にCDを聴いてやろうかと思ったけれど、日本盤は12月下旬発売予定らしい。トホホ。
吉祥寺「いせや」総本店が改築のため取り壊し
 mixiでも話題になっていた。実は9月には決まっていた話らしいが、3日の紙面で読売新聞が取り上げたため、あちこちでちょっとした騒ぎになっている。
 吉祥寺に縁の無い方はご存じないかもしれないが、「吉祥寺と言えば」名前が出てくるほど、地元では有名な焼き鳥屋である(コチラ参照)。
 映画「タカダワタルテキ」にも登場した通り、高田渡も生前毎日のように飲みに行っていた店で、昭和の風情を今に伝えるオンボロぶりが何とも良い雰囲気を醸し出す、木造の店構えが特徴であった。相当老朽化していることは誰の目にも明らかだったが、あの建物を来年5月には取り壊し、14階建てのビルになってしまうと聞くと少々寂しい。
 焼き鳥屋なのに昼から営業しているのも、ダメ人間には嬉しい店だった。まだ日の高いうちからビールを飲んで、焼き鳥を食って、ほろ酔い加減でぼろい店を出ると、昭和の文士にでもなったような気がして、貧乏くさい私小説が書けるんじゃないかとか、いきなり咳き込んで吐血しないかなとか、おバカな妄想が広がったものだ。
 私の住んでいるところから吉祥寺へ行くには、バスの便が良く、吉祥寺に着く前、或いは吉祥寺を出た途端、吉祥寺通り沿いのいせや本店前を必ず通るのだ。その度に「ああ、今日も立ち飲み客でいっぱいだ」と感慨深く眺めるのだった。よし、近いうちにまた行くぞ。今度はカメラを持参して。