ELVIS COSTELLO FILE始動

everyday i write the book



 アーティスト単位でその業績を総括する単行本、「ファイル・シリーズ」のエルヴィス・コステロ編の制作に着手しました。
 シンコーミュージックから発売されているこのシリーズのエルヴィス・コステロ編については、かつて2002年5月に発売される旨が雑誌上で告知されたのを、執念深いエルヴィスファンの方なら覚えておられるかもしれません。実は2001年から制作は始まっていたのですが、諸事情から進行が滞り、昨年一旦発売が中止になっていました。当初の制作には私もライターとして携わっていたこともあり、このまま立ち消えにしてしまうのはあまりにも惜しく、「エルヴィス・コステロ・ファイル」の実現はずっと懸念事項として頭の中にありました。
 タイミングやその他諸々の条件が整わなかった為、一旦発売が中止にはなったものの、版元側としては発売の意向があり、今回私がトータルのディレクションと監修を担当する形で、一から作り直すことが決まりました。正式に制作が決定したのは先月の下旬、先日版元の担当と、編集実務の担当、それに私で初めての打ち合わせも行ないました。
 残念ながら来年2月の来日公演には間に合わないことが確定しており、今のところ3月発売を目標に、動き出したところです。今までライターとして依頼された記事の執筆を担当したことはありましたが、制作全般を担当するのは私としても初めてです。記事の内容をどうするのか、またそれにどのくらいのページを割くのか、今はまだ全くの骨組みの段階で、これを実質4ヶ月ほどで完成させるには険しい道のりが待っていることでしょう。海外ではバイオ本や詞の研究本が何冊も作られていますが、日本で制作されたエルヴィス・コステロ単独の書籍は、87年にミュージックマガジン社が出した「エルヴィス・コステロのすべて」というムックがあっただけで、「エルヴィス・コステロ・ファイル」が完成すれば実質的に初めての単行本になります。恐らく今後同様の書籍が制作される見込みはほぼありませんから、最後の単行本になる可能性もあります。それだけに責任も重大で、ディープなエルヴィスファンの皆様に満足していただける内容にすべく努力する所存でございます。
 この手の書籍の常として何万部も刷ることは不可能なので、小説など一般的な単行本よりは単価の高いものになってしまうのは心苦しいのですが、その分内容を充実させますのでファンの皆様は3月までお金を貯めて待っていてください。