BIFF! BANG! POW! volume 1@新宿Jam



 ハイハイ、そういう訳で当日思い立って出かけてきましたよ。「Biff!Bang!Pow!」という企画で、この日が1回目のイベント。企画そのものはどういう素性のものか全く知らず、私としてはSUPERSNAZZとTREEBERRYSが久しぶりに見られるというので行くことにした。他は知らないバンドばかりだったが、思わぬ出会いに期待して。

 トリオ編成で、演奏が始まった途端GANG OF FOURWIREが思い浮かぶ。淡々としたリズムに硬質なギターリフ。メロディーは極めて起伏が少ない。ブレイクを繰り返す冷徹なビートがいちいちビシッと決まるので、カッコイイ。カッコイイのだが、…うーん。熱くなれないのはやはりポスト・パンクのコピーの域を出ていないからかな。スタイルだけでなく、曲までどこかで聴いたような気がするものが多かったので。

 女性ばかりの4人組。広い意味でのギター・ポップというか、シューゲイザー風でもあり、アノラック風でもあり。割とラウドな曲が多く、ヴォーカルは中々の熱演だったと思うが、焦点が曖昧で、コンセプトを理解しかねる部分も。独自のスタイルを作ろうとする姿勢は買う。後は演奏力が追いつけば。


 ええ〜っと、久しぶりというか、記憶違いでなければ何と5年ぶりに見るライヴだった。5年前はまだ3人編成で、稲垣がギターを、渡来がベースを弾いていた。今は稲垣がヴォーカルに専念し、渡来がギターにスイッチ、ベーシストが加わった4人編成になっていた。
 途中を知らなさ過ぎる私にとってはほとんど別のバンドみたい。CHEAP TRICKのTシャツを着た稲垣は威厳あるヴォーカリスト様らしい振る舞いで、観客を煽り、ステージ上はおろかステージ下に降りてまでシャウトする。昔はマージー・ビート風のパワー・ポップが中心だったと記憶するが、今ではラズベリーズ以降、パンクも経由したパワー・ポップ仕立てに変身していた。演奏は上手いし、パーティー・バンドに徹したステージが楽しくないはずがない。これはこれで好きだ。最近のレコーディング作品も聴いてみたくなった。


 こちらも久々。記憶が定かでないのだが、少なくとも1年はご無沙汰だったはず。ギターが今のマーキーに変わってからは3〜4回しか見た覚えがない。つまりここ5年でその程度しか見ていないことになる。
 ギターが変わってからのスナッズはやはりパワー・ポップ化が進んだように思う。ただそれが○○風と形容されるタイプではなく、「スナッズ風」としか言えない感触があるのは偉い。ハード・コアに近いパンクに始まり、様々なバンドからの影響と長い活動歴が育んだオリジナリティが感じられる。ここまで来ると強いよなあ。東京が誇るロックンロールバンドのひとつには違いない。
 スナッズはTシャツもさりげなくデザインがオシャレで、素材も着やすいものを使っているので、楽しみにしている。新作ができたそうだが、お金がなくて買えなかったのが心残り。ビンボーってやだね。


 トリがこのバンド。初めて見るバンドだったが、音が出た瞬間「えっ、これってJAYHAWKS+WILCOじゃん」と思った。えらいもん見つけちゃったぞ。2005年の日本でこんな音を出しているバンドがいたのだ。懐かしのオルタナ・カントリー風ではある。ただし盲目的にその方面を信奉しているのではなく、ロックンロールの歴史を踏まえた上での選択であることが伺えた。つまり奥行きがあるのである。それはリズムパターンの豊富さだったり、ギタリストの引き出しの豊富さだったりだ。あるジャンルのレコードを10枚ほどコピーしただけのバンドではこうはいかないだろう。
 文章で分かりやすく伝えようとすると「オルタナ・カントリー」というジャンルに分類せざるをえないのは間違いないし、前述のようなバンドの影響ははっきり感じられる。でもVAN MORRISONTOM PETTYだって確かにちらつくんだよなあ。そういう部分が何だか嬉しくなってしまうと同時に、自分のリスナーとしての経歴を試されているような気にもなる。途中ヴォーカリストのギターの弦が切れ、代えのギターを取りに行っている間、リード・ギタリストが「♪I got a wife and kids in Baltimore Jack…」と歌い出し、ベース、ドラムもそれに合わせて繋いでいた。もちろんBRUCE SPRINGSTEENの「Hungry Heart」だ。とても有名な曲とはいえ、前触れもなく演奏できるあたりにこのバンドの基礎体力を感じる。
 後半はブギー調の曲で盛り上げ、会場からダメ出しされるまでアンコールが続く盛況ぶりだった。できたばかりだと言うオフィシャルサイトを見る限り音源は発売されていないようなのが残念。彼らならレコーディング作品もきっと面白いものが出来上がると思う。


 ライヴ会場で写真を撮るのが半ばライフワークとなっている私なので、当然カメラは持参した。しかしJamは照明が暗くて撮影がヒジョーーに難しい。フラッシュは使わない主義だし、普通に撮っても真っ暗になるので、フィルムを増感して撮影。そのため現像に3日もかかることが判明。写真は出来上がったら追加します。

    • 9/29追記

 写真が出来上がったので追加。最初の2バンドは撮影していなかったので、写真はありません。悪しからず。いやー、それにしてもJAMは照明暗い、ステージ低い、空気薄い、で撮影が本当に難しいですわ。