「馬鹿は隣の火事より怖い」by立川談志

◆Yahoo!ミュージックサウンドステーション
　ヤフーが開始した音楽配信サービス。話題沸騰中なので大抵の方はもうご存知かと。知らない人は上のリンクか、ここを読んでね。
　で、まあ私もどんなもんかと聴いてみたわけだ。10万曲がフルサイズ、無料で聴けるとなれば確かに画期的だと思ったし。結論から言えば、期待したほどではなかったけれどタダならこんなもんかと。有線放送みたいなものだと思えば、まあ楽しめる。
　音楽ジャンル毎にチャンネルが分けられていて、それぞれ10曲が聴けるようになっている。10曲が終わると終了画面になり、同じ番組をもう一度聴くか、別の番組を選択するかを尋ねられる。最初と５曲が終わった時点の計２回、30秒ほどのCMが入るという番組構成は良いだろう。ダッサイCMも何度か聴くうちに慣れた。無料で聴かせてもらっている以上そのくらいは納得しないと。ただし肝心のコンテンツはまだまだだと言わざるを得ない。
　チャンネルの分け方はもっと細分化するべきだ。最初に「歌謡曲」というチャンネルをクリックしたら、いきなり始まったのが野村義男だった。私としては昭和30〜50年代ぐらいのヒット歌謡が聴けるのかと思ったのに。野村義男も確かに歌謡曲なのだろうが、何がかかるか分からない状態でいきなり聴かされるとしたら、知名度の高い曲にして欲しいものだ。聴くべき部分があるのかと思って念のためそのまま聴いてみたが、１分と耐えられなかった。次にクリックしたのが「90年代UKロック」というチャンネル。最初に流れたのはOCEAN COLOUR SCENEだったので多少安心する。続いてSTONE ROSES、PULP、そしてまたOCEAN COLOUR SCENEと来て、オイオイと思った。「90年代UKロック」というより「ブリット・ポップ」ではないのか？それにたった10曲しかないプログラムでOCEAN COLOUR SCENEが2曲もかかるなんて。続いてBEAUTIFUL SOUTHが流れて多少持ち直した気もしたが、その次はCASTと続いたので萎えてしまった。90年代UKロックって実に幅の狭いものなのだな。「80'sニュー・ウェイブ」チャンネルではポリスとスパークスがそれぞれ３曲流れ、笑ってしまった。だから偏り過ぎだって。それにスパークスは70年代のバンドでニュー・ウェイヴの系譜とは直接関係無いし。
　チャンネルの分け方や選曲には相当問題がありそうなので、これは今後の改善を期待したい。現時点で個人的に一番楽しめたのは「室内楽」のチャンネルだった。あまり知識も関心もないジャンルの音楽をただ流しっ放しにしておく分には良い。まさに有線放送の感覚である。かじりつくように真剣に聴くものではないと割り切ってしまえば、腹が立つこともない。何しろタダだ。音質もいかにも圧縮された音源という感じで、あまり良くないので長時間集中して聴くには向かない。BGMとして活用するには良いシステムだと思う。中には自分のツボに嵌る曲が不意に聴こえてくることもあるはずで、その場合はその曲の入ったCDを買うことも簡単にできる。曲単位でのダウンロード購入も可。聴き手の間口を広めるためには有効な試みに思われる。
　従来の音楽配信サービスと違うのはフルサイズで聴けるということだ。30秒程度の試聴では良さを理解できない曲というものは確実に存在するし、このサービスで新たな購買層を掘り起こす可能性は充分あると思う。
　かと思えば、こんな人もいるからなあ。

昨日から、「Yahoo!ミュージックサウンドステーション」で、１０万曲が無料でネット配信されることになりました。
http://station.music.yahoo.co.jp/
ブラウザで見ていると聞けるのですが、ＰＣに保存して、好きなときにも聞きたいです。
どうしたらいいですか？
ＧｅｔＡＳＦＳｔｒｅａｍというソフトで、とりあえず試してみましたが、うまくいきませんでした・・・。
うまく保存できたかたがいらっしゃいましたら、やりかたを教えてください。

　好きな時に聴きたいのだったら、買えよ。客が代価を払うことによって産業が成立するということが分からない人がいるから困りものだ。